梅雨明けらしいけれど(Jun. 26, 2022) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 甲信越は早くも梅雨明けだという。長く暑い夏が続くのだろうか。東京は猛暑日で電力事情も逼迫しているとか。しかし、今朝7時の気温は20度、高原は涼しい風が吹き抜けていく。

 

 

 9時45分K子車で公文のアルバイトに行く。ウッドデッキで読書。若山牧水「梅雨紀行」、モンテーニュ『エセー』第3巻第11章「足の悪い人について」、太宰治「六月十九日」を読む。

 「梅雨気候」は鳳来寺山再訪である。この紀行の数年前に牧水は蓬莱山寺を訪れ仏法僧の鳴き声のことを紀行文に書いているが、それが多くの人の目に触れたために仏法僧の鳴き声を聞こうという人でにわかに山はにぎわうようになっていた。牧水恐るべし。しかし静かに仏法僧の鳴き声を楽しもうという牧水の目論見は崩れてしまう。そして、前回の蓬莱山寺紀行は読者を旅に誘う名文であったが、今回の「梅雨紀行」はいつもの牧水の文章なのだけれど、飲み代の勘定を間違えて老婆とトラブるところから書き出されていることもあってか、何か酒ばかり飲んでいる牧水が意地汚く思えてならなかった。牧水についてこんな風に思ったのは初めてである。

 

 

 午後から甲府で仕事である。甲府の暑さを思うと、仕事とはいえ外出は楽しみだったけれど、ちょっぴりうんざりする。電車は冷房が効いているだろうし、職場も同様だから、駅から職場までの徒歩10分ほど我慢すればよいだけなのだけれども。

 長坂駅までK子に送ってもらい、駅前のビタミン市場に草餅があったので2個買い、1個をK子に渡す。昼食が軽かったのである。名前は忘れたが赤い花が可愛い宿根草が安かったのでK子に買うように勧める。

 

 

 車中では来月の文学講座で読むルナール『博物誌』をiPadで読む。岸田国士のKindle版である。文学講座では役者の違う岩波文庫版を使うつもりだが、『博物誌』の魅力に最初に気づかせてくれたのは岸田版だったので敬意を払ってである。家畜や家禽、犬や猫といった身近な動物から虫まで、さらには教会の風見鶏にまで目を向ける、イメージを網膜でつかまえるルナールの表現は生き生きしている。

 甲府はやはり暑かった。今年初めて体感する猛暑だ。空では純白の夏雲が盛りあがっている。

 早速暑さにやられたのか、風邪をひいているわけでもないのに、声がひどくかすれはじめた。喉に痛みはない。どうしたのか。

 帰りの車中でも『博物誌』を読むが集中力に欠ける。ひどく疲れを覚える。

 K子に駅まで迎えにきてもらう。夕食には少し栄養価の高いものを食べようと牛肉を買って帰る。

 やはり山は涼しい。梅雨明けはまだではないのかと思えるような空模様で、さわやかな風がそよそよと吹いている。金魚とメダカに餌をやり、ウッドデッキのリクライニングチェアに体を沈めるとぼんやりしてしまう。だいぶ時間が経った頃、夕食にする? とK子がいう。30分後にと答えてまたぼんやりする。