啖呵に聞き惚れる。(Dec. 39, 2021) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

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八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 8時過ぎベッドを出て、二階の窓から外を見ると道が白くなっていた。夜半短時間の降雪があったようだ。気温は3度、冷たい微風が吹いている。

 K子はなかなか起きてこない。一人でトーストとハムエッグで朝食をすませる。

 

 モンテーニュ『エセー』第1巻より「人食い人種について」を読む。いつ読んでも印象深い一編だ。レヴィー=ストロース『野生の思考』ここにあり。モンテーニュ曰く、

 

 さて、わが主題に話を戻すとして、自分の習慣にないものを、野蛮と呼ぶならば別だけれど、わたしが聞いたところでは、新大陸の住民たちには、野蛮で、未開なところはなにもないように思う。どうも本当のところ、われわれは、自分たちが住んでいる国での、考え方や習慣をめぐる実例とか観念以外には、真理や理念の基準を持ちあわせていないらしい。あちらの土地にも、完全な宗教があり、完全な政治があり、あらゆることがらについての、完璧で申し分のない習慣が存在するのだ。彼らは野生であるが、それは、自然がおのずと、その通常の進み具合によって生み出した果実を、われわれが野生と呼ぶのと同じ意味合いで、野生なのである。(宮下志朗訳)

 

 午後1時、甲府駅まで息子と孫を迎えに行く。孫は車に乗り込むや、古今亭志ん朝の落語を

聞いて笑う。4歳児が落語を理解できるわけがなく、言葉の抑揚や響きに反応したのだ。

 夕食の買物をして帰ると、突然、花吹雪のように雪が舞った。

 

 K子が孫と遊んでいるからいってらっしゃいというので息子と小淵沢の延命の湯へ。温泉は久しぶりだ。駐車場はほぼ満杯だ。年の瀬や正月を宿泊施設で過ごす家族が多いのだだろう。温まった。帰ろうと駐車場に向かうと車は半分に減っていた。みなさん、われわれのように夕食前にひとっ風呂を浴びにきたのだろう。

 温泉への行き帰り古今亭志ん朝の「大工調べ」を流していた。息子が興味を示したので、家に帰り着いたが、志ん朝の「大工調べ」では大工のカシラの啖呵を聞かなければならないと、そのまま車の中で志ん朝の啖呵を聞いた。啖呵に酔いしれる。