多少寒気は緩んだようだが、微妙なところである。
起きるとすぐペレットストーブに火をおこした。昨夜のうちに準備しておいたのである。昨日も書いたように居間は吹き抜けで密閉できない構造なので温まるまでに時間がかかるのが難点だが、我慢しながら暖かくなるのを待つしかない。
明日から息子が孫を連れてくるかもしれないのでK子は部屋を片付けている。ぼくもいつも自分が座っているソファの上や周辺にある本などを机の下などに隠す。それからシュニッツラーの短編「花」を読む。超ロマンチックな、しかし、世紀末の退廃の香りのする作品だ。ついで須賀敦子『トリエステの坂道』の最後の2篇を読み深く感動する。本を読んで涙することなど滅多にないが、泣かせる。『トリエステの坂道』はエッセイ集というよりもひつつの家族の3代にわたる物語だ。
庭に出てみる。踏んだ霜柱が崩れて凹み足を取られて転びそうになる。森の木々の影が縞状になっている。長く外にいられない。
スーパーへ買い物に行く。輪飾りを2つ買う。わが家の正月の飾りは毎年ささやかだ。正月用の食品は2日後ぐらいに改めて買いに来ることにした。老夫婦がやっている店で野菜などを買って帰る。
夕食後は「ヴェラー信念の女警部」を観る。美しいが寂しく荒涼とした北海沿岸地域が舞台。事件は解決するものの悲しみだけが残る。