朝5時に目が覚めた。6時に仕事で出かけるK子を長坂駅まで送らなければならなかったのだ。
駅へ向かう途中、朝日を浴びて緑が淡い黄緑に明るく光るアルプスの山々がきれいだった。山々には雲がかかっていたが、輪郭のくっきりした雲は微動だにせず、K子曰く、腰掛けられそうだった。
午前中は来月15日に開催するチラシを作成。市内8館の図書館やスーパーなどにおいてもらうために125枚プリント。プリントしている間、戸板康二『團十郎切腹事件』(講談社文庫)の中から「立女形失踪事件」を読む。来月の文学講座では短篇ミステリー、それも殺人が出てこないソフトなミステリーを読む予定なので、ふさわしい作品を物色中なのである。プリントが終えた後は堀田善衛『ミシェル 城館の人 第三部』を読む。今日中に読了するつもるである。
昼食は1時半。食事を終えた後は、長坂駅前の図書館へ文学講座のチラシの配布をお願いしにいく。チラシはスーパーなどにもおかしてもらっているが、やはり図書館が効果的である。図書館へ行く人は言うまでもないが読書に関心があるのである。
2,3日前から路傍に曼珠沙華が目につくようになった。曼珠沙華といえば、花水地区にある清泰寺だ。お寺の近くの空地に車を停めるとすぐに一台やってきた。ぼくが車の中でもたもたしているとぼくと同年輩の人が車から下りるとトランクを開けてカメラを取り出した。お仲間だ。挨拶をするが、気が急くのかろくに挨拶もせずに先に行く。お寺の曼珠沙華が群生している方を見ると数名の人影がある。先を越されたか。ぼくがねらっていた場所に三脚を立てて本格的に撮影している。みな老人で女性もいる。みなカメラを持っていたから写真の同好会にしがいない。例年ほとんど他にカメラマンがいなかったのだがついに知られてしまったか。割り込んでまでして撮影する趣味はないので、離れた場所から望遠で撮影した。境内には金木犀の巨木があり、花は終わりかけていたが、良い香りが漂っていた。
スーパーと文学講座の開場である八ヶ岳文化村へちらしをおき帰宅。『ミシェル 城館の人 第三部』を読む。肉じゃがとニラ入りの卵焼きを作りながら読書を続ける。外が暗くなったころようやく読了した。第一部、二部、三部の合計ページ数は1400ほぢ。モンテーニュへの興味、堀田善衛の情熱的な筆致に乗せられてとはいえ、よく読んだ。次はJ.スタロバンスキー『モンテーニュは動く』(みすず書房)だ。これも500ページある。しかも文庫ではない。
8時過ぎK子を長坂駅まで迎えに行く。肉じゃがと卵焼きで夕食。「バーナビー警部」を観る。