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89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

前回のつづき

 

白いレースの少女たち

開田高原

 

 

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 これは11月初めごろの話じゃがのう。

 

 長野県・開田高原の紅葉が見ごろになったとの情報を得て、昨日からお邪魔しているのじゃよ。

 

 しかしお目当てのもみじは「見ごろ」にはまだほど遠くて、一気にテンションが下がってしまったのじゃが、このまま帰るのもシャクじゃから何かエモノを持ち帰りたいと、車中泊しながら今朝を迎えたのじゃ。(前回まで)

 

 

 ここ開田高原は年中を通して気温の低いことで有名な所でのう。

 

 11月初旬の午前5時24分の気温は-2℃。

 

 11月も下旬に差し掛かった現在(11月23日)でこそこの程度の気温はあちこちで見られるかもしれぬが、撮影した初旬のころの気温としては、ちょいと体験できぬ低気温じゃったわい。

 

 ワシの住処を出るころに20℃前後だった気温が、今朝はいきなり氷点下ワールドに突入じゃ。

 

 

 

 

 

 ダウンを着込んで手袋を装着し、暁暗の車外へ降り立つと昨夜見たお月さまがまだ頑張ってござらっしゃるわい。

 

 

 

 

 

 薄明の中で白樺の幹が際立つ。

 

 

 

 

 

 霜が降りているのう。

 

 草むらが真っ白じゃ。

 

 

 

 

 

 霜を纏ったススキの向こうのブルーベリーも何やら白いようじゃのう。

 

 

 

 

 

 

 近づいてみると…

 赤い葉っぱに白い霜が付着していたわい。

 

 日中では見られぬ光景じゃのう。

 

 

 

 

 

 

赤いドレスの少女たちが白いレースを纏ってワシを待っていてくれたわい。

 

 

 

 

 

 

 山肌が徐々に明るくなってきた。

 

 

 

 

 

 御嶽山もちょっぴりモルゲンロート。

 

※モルゲンロート

 登山用語。太陽の光に照らされて山肌が紅く染まる現象。

 

 

 

 

 

 

 ん?

 

 あんなところに鳥が止まっているわい。

 

 と思ったのじゃがよく見ると作り物じゃった。

 

 わざわざこんなものを作ったのは何か理由があるのじゃろうのう。

 

害鳥対策かもしれぬわい。

 

 

 

 

 

 ブルーベリーとモルゲンロートの御嶽山。

 

 

 

 

 

お月さまはまだまだ頑張ってござる。

 

 

 

 

 

 モミジも霜で真っ白じゃ。

 

 

 

 

 

 

山肌が紅く染まってお天道様のお出ましが迫っているというのに、まだ粘り腰のお月さま。

 

 

 

 

 

低気温が作り出す白と赤のコラボレーション。

 

 

 

 

 

 にわかに明るくなってきたと思ったら…

 

 

 

 

 

お天道様のお出ましじゃ。

 

 

 

 

 

 ブルーベリーにも朝の光が飛び込んできた。

 

 

 

 

 

 

 光があるなしでは大違い。

 

 

 

 

 

 お天道様のお恵みで一層華やかになったわい。

 

 

 

 

 

 しかし白いレースを纏っているのもほんのひとときじゃからのう

 

 

 

 

 

 ならば今のうちにしっかり撮っておくとしようかのう。

 

 

 

 

 

 と、パチリパチリ。

 

 

 

 

 

夢中になって撮っているうちに周辺一帯には朝の光が行き渡った。

 

 

 

 

 

 それではそろそろここは引き揚げるとしようわい。

 

 と言ってもまだ帰宅するわけではないぞえ。

 

 今度は昨日ロケハンしておいた紅葉の林へ引き返すのじゃ。

 

 あそこは目の前に高い山あるため、日の出時刻が遅いからのう。

 

 今からでも間に合うはずじゃ。

 

 紅葉にはちょいと早いから不満じゃが、ここまで来たからには何も撮らずに帰るのはもったいない。

 

それ行け! やれ行け!

 

 

つづく

 

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