前回のつづき
紅い水たまり
無断転用禁止
6月中旬のことじゃ。
先程から長野県・開田高原へ来ているのじゃがのう。
この時季に咲く勿忘草を撮影しているうちに疲れてしまったのじゃよ。
寄る年波には勝てぬわい。(前回)
まだ数ヶ所の勿忘草群生地が残っているのじゃが、あとは明日のお楽しみにしようと思ってのう。
今日は途中で切り上げて、いつもの宿泊地へやって来たのじゃ。
晴れてさえいればレンゲツツジの彼方に御嶽山が眺められるのじゃが、今日は生憎の曇り空。
気温は午後4時半で17℃。
寒いぐらいじゃ。
疲れているうえにこんな空模様では撮影意欲も湧かぬわい。
外へ出る気力もなく、車内に座ったまま車窓越しに何となくシャッターを押すだけじゃ。
御嶽山の裾野が辛うじて見える。
駐車場の水たまり。
水たまりに草が生えたのか、それとも草の生えている所に水たまりが出来たのか。
日暮れて来たのう。
気が付くと夕焼雲。
千切れ雲が夕日に染まった。
見る見る真っ赤な夕焼雲に。
おや!
水たまりが染まり出したぞえ。
慌てて車外へ飛び出した。
こうなると疲れた、腰が痛い、などと言っている場合ではないわい。
そんなことはすっかり忘れてしまい、躊躇なくしゃがみこんだ。
前景の森が邪魔じゃ。真っ暗で何も見えぬわい。
代わりにもうちょいと風情のある樹木でも植わっていないものかのう。
そ~れ。またお決まりの愚痴が始まったぞえ。
こんな草でも無いよりはマシじゃわい。
クライマックスはほんの数分。見る間に色あせていく……
とうとうおしまいじゃ。
途端に忘れていた腰痛が酷くなって、“動くホテル”のベッドに転がり込んだわい。
その時の模様をAIクンが再現してくれた。

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つづく
無断転用禁止




















