本番前日
無断転用禁止
性懲りもなくまたもや近所のダム湖へ彼岸花の撮影にやって来た。
9月のシルバーウィークに入ったころのことじゃ。
先日、開花状況の偵察に来てから2、3日が経ったわい。
今日はこれから車中泊をしながら明日の本番に取り掛かるつもりなのじゃ。
今夕は曇りじゃが明日は朝から晴れると予報士のおねえさまが宣っていたからのう。
この貴重な晴れ間を利用して、何が何でも朝の光の中で彼岸花を撮りたいのじゃよ。
台風25号の影響でこの日は千葉など関東地方が大変なことになっているというのに、こちらではのんびり撮影三昧で申し訳ないのう。
河川敷へ降りて行くとすぐ目に入るのがこの群生じゃ。
この群生がいつもの撮影ポイントに咲いてくれたら嬉しいのじゃが、残念なことにあの撮影場所から200メートル以上も離れているのじゃよ。
2、3日前まで蕾じゃったこの辺りはもう立派に開花しているわい。
それに比べてワシのいつもの定位置の寂しいこと。
年々花の数が減っているような気がするわい。
すぐ横はこんなに賑やかに咲いているのにのう。
おや?
少年がボートを押しながら湖底を歩いている。
意外にこの辺りは水位が低いのじゃのう。
見れば手にはパドルを持っていないのじゃよ。
母親らしき女性が岸辺に立って何やら叫んでいる。
しかし慌てている様子はない。
むしろ笑みがこぼれているのじゃ。
一方、岸辺近くにはパドルを持った別の少年がこちらへ向かってジャブジャブ歩いて来るのじゃよ。
不思議なことにボートの少年がこちらへ向かおうとすると、お母さんはもっと深い所へ行くよう指示しているのじゃ。
こちらへ来てはいけないと言われた少年は、遠くの方でボートをつかんだまま立ち止まっている。
パドルを持って行かれてしまっては漕ぐことが出来ぬわのう。
どうなることやらとワシは息をのんで見守っていたのじゃが、一方で母親らしき女性は笑顔で見つめているだけ。
どうも誰かを待っているようなのじゃ。
……と、そこへ別の女性がパドルを持ってジャブジャブと水の中へ。
先程パドルを持ってきた少年がこの女性にパドルを渡したらしいのう。
その女性はボートに近寄るといきなり沖の方へ引っ張って行き……
ボートが湖底にぶつからなくなったところで少年を乗せ、乗り場の方へ漕いで行ったわい。
この時の状況や母親の話しぶりから察するに、少年が二人でボート遊びをしているうちに浅瀬に乗り上げてしまったために漕ぐことが出来ず、ひとりの少年がパドルを持って大人に助けを求めに行ったのじゃろうのう。
母親がボートを沖の方へ持って行けと言ったのは、浅瀬ではボートがつかえて漕げなくなるから、深いところで救助を待てと言う指示じゃったろうて。
見ているワシの方が冷や汗ものじゃったわい。
それでは改めて撮影に専念じゃ。
夕暮れが近づくにつれて何だか雲が多くなってきたが、果たして明朝は晴れてくれるかのう。
定位置からちょいと移動すればかなりの数が咲いているのじゃがのう。
明日はこの辺りに三脚を据える手もあるわい。
なかなか最適な位置が見つからぬ。
今からあれこれ考えても無駄じゃ。
明朝になって見なければ分からぬわい。
明日に備えてそろそろ“動くホテル”へチェックインしようかのう。
“動くホテル”へ戻り、曇り空を心配しながらいつものように前祝🍺をヤッテいると、急に西日が射してきた。
しめしめ。
今回は珍しく(?)予報が当たって、明日は上天気になりそうじゃわい。
しばらくすると東空までが茜色に染まって来た。明日は保証付きの日本晴れじゃ。
今夜は心安らかに眠れそうじゃわい。
思い出の過去ログ22
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御用とお急ぎでない衆はちょいとだけでも覗いてくだされると嬉しいわい。
梅花藻と百日紅
2019.9投稿
つづく
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