前回のつづき
枯蓮ざんまい
無断転用禁止
前回では福井県・越前海岸を経巡ったのじゃが、その途中でふと思いついた撮影ポイントがあってのう。
それは越前海岸からそう遠くない所にある「花はす公園」じゃ。
もちろん今はオフシーズンじゃから花なぞ咲いていないのは先刻承知じゃが、ワシの目的は花ではなく枯蓮の撮影なのじゃよ。
そこで越前海岸は途中で切り上げて、急きょ花はす公園までやって来たのじゃわい。
しかしここへ到着したころにはもう日が暮れてしまっていたからのう。
その日の撮影はあきらめて、公園内の駐車場で車中泊をしたのじゃ。
そしてその翌日―。
起床してみると今朝の天候は晴れでもなく曇りでもない、何だかスッキリせぬ空模様でのう。
夏に来れば駐車場も満車になるじゃろうが、こんなオフシーズンでは観光客もカメラマンも誰一人として見当たらぬわい。
広大な駐車場にはワシの“動くホテル”がぽつんと佇んでいるばかりじゃ。
夕べからの小雨が止んで、今朝は霧が立ち昇っている。
公園内のハス畑は膨大な数の枯蓮が折り重なっていて、水面も満足に見えぬぐらいじゃ。
何とか水面が見える場所を見つけてはパチリ。
またパチリ。
葉っぱや花托も千切れてしまい、茎だけが棒のように突っ立っているものも多い。
これでは何の面白味もないわのう。
お天道様のお出ましで小枝に付いた雨しずくが光を放つ。
枯蓮にもお天道様のお恵みが。
光の射し込んだ水面に波紋が広がる。
光る雨しずく。
あちらこちらを大分ウロウロしてみたが、これと言ってめぼしいエモノが見当たらぬ。
それでは公園を出て、ちょいとばかり周囲を徘徊してみるか。
この辺りには柿の木がやたら目立つわい。
この写真ではよく分からぬが、杉の幹辺りにも柿の木が立ち並んでいる。
熊が食べに来ぬのかのう。
公園の外にも広いハス畑が点在している。
公園内に比べ、こちらの方が水面が垣間見えて面白いわい。
逆光に光るハス畑。
この畑は藻が茶色じゃ。
こちらは緑色の藻。
広大な畑が一面の藻で覆われている。
水面は藻に覆われていて見えなくとも、藻の緑が彩りを添えてくれて、これはこれで面白いわい。
こちらは種類が違うのか、かなり大きい藻じゃのう。
藻に埋もれて終焉の刻。
さ~てここの枯蓮撮影はこんなことで店じまいとするかのう。
夕方前には琵琶湖まで飛んで行って、今度は琵琶湖の枯蓮を撮りたいのじゃよ。
ホントは琵琶湖へなぞ寄りたくないのじゃが、帰り道には琵琶湖がおいでおいでをして待っているからのう。仕方なく立ち寄るのじゃぞえ。
なんじゃと? よくもよくもそんなウソがつけるものじゃ😮
なんとしても立ち寄りたくてうずうずしているくせに!😠
帰る途中にも柿の木が至る所で見受けられる。
この辺りは柿の名産地らしいのう。
カラスが柿の木に止まってくれぬものかとしばらく待ってみたが、カラス奴、なかなかこちらの言うことを聞いてくれぬ。
こんなところで時間を費やしていると琵琶湖の夕陽に間に合わぬわい。
ちょいと急ごうかのう。
つづく
無断転用禁止





























