クリンソウ咲く森 2日目 | 87歳の車中泊奮闘記~風景写真に魅せられて~

87歳の車中泊奮闘記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、車中泊を繰り返しながら撮影を楽しむ様子です。
                       
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前回のつづき

 

クリンソウ咲く森

2日目

 

無断転用禁止

 

撮影 5月30日

 

 クリンソウが咲く湿地のそばの広場で車中泊したその翌未明じゃ。

 

 

 

 

 目覚めて外へ出てみると天空にはお月様が。

 

 周りは高い森に囲まれていて、朝焼け空は望むべくもない。

 

 

 

 

 

 気温は13℃。夜中には暖房をつけたわい。

 

 湿地へ行く前にまずは最初に見掛けた道沿いのクリンソウを見に行こうと思ってのう。

 

 でこぼこ道を現場へ急行したのじゃ。

 

 

 

 

 

 途中の道端にはもうところどころに朝の光が射し込んでいる。

 

 

 

 

 

 着いてみると、ここも木々の間が明るくなっていたわい。

 

 

 

 

 

待つこと暫し。

 

 

 

 

 

 おお!

 お出ましじゃ。

 

 

 

 

最初はこの方角からお天道様がお出ましにならぬものかと期待して来たのじゃが、ちょいとだけ方向がずれていたわい。

 

 

 

 

 

黄と赤の光を背景にしてパチリ。

 

この光は何じゃ?

 

 

 

林の中を歩いているときに、幹や小枝にピンクのリボンが巻き付けてあるのを目にすることはありませぬかのう。

ダウン

画像

(netより)

このリボンは測量など森を管理するための目安となるものらしいが、普段はあれが撮影の邪魔になって仕方がなくてのう。

 

 

 

 

 

 

 しかし今日はちょうどそのリボンに朝の光が当たって輝いていたので、この邪魔物を逆手に取って撮影してみたというわけじゃ。

 

 ちなみに黄色は朝光に照らされた幹。

 

 

 それではここはもう引き揚げて、昨日の湿地帯に戻って行こうかのう。

 

 

 

 ふたたび先ほどまで車中泊していた草っ原へ戻って来た。

 

 そこから数分は徒歩じゃ。

 

 ヨタヨタ、トボトボ・・・。

 

 

 

 

 この奥が湿地じゃ。

 

 

 

 

 

こちらの林からもお天道様が垣間見えるのじゃが、周りの木々が高すぎて、光が湿地までなかなか届いてくれぬ。

 

仕方がないから倒木に座り込んで光を待っていると、目の前の山でがさがさと音がした!

 

 

 

 

ク、クマ?😨

 

 

 

 

すると辺りの木々をかき分けながら、カメラを担いだひとりの男性が下りて来たのじゃ。

 

やれやれじゃ😥 

 

湿地を一回りしていた男性は思わしい被写体が見つからなかったのか、傍に近づいて話しかけて来たわい。

 

聞けばカメラには相当のめり込んでいるようでのう。

 

誰一人いない森の中で奇しくも出会ったマニア同士。

 

湿地に陽が当たって来るまではワシも暇じゃから、二人でしばらくは写真談議に花を咲かせたというわけじゃ。

 

最初はびっくりしたが、思いがけなくもなかなか楽しい時間を過ごすことが出来たぞえ。

 

 

しばらくしてその男性はまた元来た山道をどんどん駆け上って行ったわい。

 この山の上には幹線道路が通っているのじゃがそこから下りて来たという。

 

 うらやましいのう。

 

 ワシにはもうそんな体力は残されていないわい。

 

 

 

 

 

湿地帯にもやっと光が届いたぞえ。

 

 

 

 

 

ワシはこの時間帯が好きでのう。


 

 

この時間帯の光景をカメラに収めたいために車中泊をしているようなものじゃ。

 

 

 

 

 

本音を言えば車中泊なぞしたくはないのじゃよ。

 

 

 

 

朝は自宅でゆっくり朝食を摂ってからおもむろに撮影に出掛け、夕方には早々に帰宅するという撮影スタイルならどんなに楽じゃろうのう。

 

 

 

 

 

 煌めく朝露。

 

 

 

 

 

朝露が輝く傍でひっそりと佇むクリンソウ一輪。

 

 

 

 

 

上から徐々に陽が当たって来た。

 

 

 

 

 


光と陰。

 

 

 

 


 それほど多くの花が群生しているわけでもないこの湿地帯。

 

 

 

 

 

しかしここは人為的な匂いがあまりしない、自然のままのたたずまいじゃ。

 

 

 

 

 

さてと。

 

今日はこの辺りが潮時のようじゃ。

 

今日こそは寄り道はやめてまっすぐ帰ることにしようかのう。

 

 

 

 

 

 さらばクリンソウよ。

 

 来年も元気ならばまた来るからのう。

 

 そのときにはまた可愛らしい花を咲かせて待っていておくれよ。

 

 さらば、さらば。

 

 

そんなに悲しまないで~。

 

 

おしまい

 

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