前回のつづき
朝霧の森
無断転用禁止
撮影日 2024年4月23日
霧なのか、こぬか雨なのか区別がつかぬような天候の夜明け前。
森の中は今朝も相変わらず霧が立ち込めているわい。
霧の中で緑が際立つ。
ミツバツツジの咲き具合は一本々々それぞれでのう。
満開に近い木もあれば…
たった一輪、寂しげに咲く木もある。
そうかと思えば既に葉っぱが芽吹いている木もあるしのう。
この枝などは花芽と葉芽の混合じゃ。
この雨で散り始めた花も多いわい。
哀れ終焉じゃ。
悪天候でも思い切ってやって来てよかったわい。
散ってしまってからでは何ともならぬからのう。
森羅万象すべて生あるものは滅す。
ワシもじゃ🤮
朝露を含んだ花々。
ワシの好きな蜘蛛の糸も今朝は露を纏ってよく目立つ。
霧が深うなってきたわい。
近くまで寄らぬと見にくいぐらいじゃ。
枝垂れ桜のように垂れ下がったツツジ。
一瞬、朝露が滴れ落ちた。
山奥に向かって点々と咲くミツバツツジ。
この歳になってはもうあそこまでは登れぬ。
年寄り向けの平地をウロウロするより仕方がないわえ。
トボトボ…
ヨタヨタ…。
むむ!?
だれもいないと思った森の中を一人で歩く女性がいた。
結構なご年齢(と言ってももちろんワシより若いのじゃが)のご婦人じゃ。
ワシが車に乗っているのを見て彼女が話しかけてきた。
「車でここへ入れたのですか」
「管理人さんに頼んだら許可してくれたのでのう」とワシ。
「管理人が居るのですか」
意外そうな顔をしながら彼女は「それなら私も頼めばよかった。もう疲れてしまって…」。
歩き疲れた様子でトボトボと去って行ったわい。
こんな悪天候にもめげずに独りで撮影に来る女性は相当のマニアじゃろうのう。
さ~てと。
霧の中にひっそりと咲く名残りの桜を撮ったのを最後にワシもオサラバするとしようわい。
ツツジが満開と言うわけにはまいらなかったが、2日間とも霧が出てくれたことはめっけものじゃったのう。
霧が立ち込める雰囲気満点の森はまだ続きそうじゃが、さすがにワシも疲れたのじゃ。
いくら車じゃからと言って、乗りっぱなしでは撮影できぬからのう。
かと言って、全行程を徒歩で腰痛持ちの年寄りが行くのはまるで無理じゃ。
車の乗り入れを許してくだされた管理人さんに感謝しながら撮影した2日間の顛末はこれにて
おしまい
と、一旦は帰途に就いたのじゃが、またまた悪い癖が頭をもたげて来たのじゃ。
従って
つづく
無断転用禁止