前回のつづき
霧の桃源郷
無断転用禁止
撮影日 2024年4月17日
深い谷間に咲く枝垂れ桜の下で車中泊した翌未明。
起き上がるや否や空模様を確かめてみたのじゃが、残念ながら今朝も曇りのようじゃ。
まだ暗くてはっきりはせぬが、何となくモヤっているようにも見えるわい。
霧でも出ているのかのう。
晴れていなくとも霧が出てくれれば、また違った面白味も出てくるわのう。
昨日も撮影した立場茶屋前の水飲み場。
まだハイカーや観光客の姿はない。
聞こえるのは樋から滴る水音だけじゃ。
朝露が光る。
やっぱり霧が出ているようじゃわい。
ちょいとばかりいい雰囲気になって来たぞえ。
晴れていなくとも霧なら許せるわい。
どんより曇り空が一番困るのじゃ。
昔から色の白いは七難隠す、なぞと言うからのう。
霧は余分なものをみんな隠してくれるわい😁
霧がいくらか濃くなってきたようじゃ。
ここでお天道様がひょっこりお出ましになるとうれしいのじゃがのう。
朝光で霧が染まって、辺り一面に紅の世界が広がるかもしれぬ。
ちょいと色合いが変わって来たわい。
お天道様は見えぬが、雲や霧の向こうにもうお出ましになっているかもしれぬ。
しかしそれも一瞬。
たちまち霧は消えて、いつもの見慣れた朝の風景に戻ってしまったわい。
霧が取れたあとは相変わらずの曇り空じゃ。
ハナモモのつぼみに光る露。
花はかわいいが直線的な枝ぶりは風情がないのう。
曇り空も時間が経つにつれて晴れ間が見えて来たわい。
やはり曇りより青空に桜の方が映えるのう。
お天道様のお陰で生き生きとしてきた桜。
しかしこんな時間帯に晴れてくれてものう。
ちょいと遅すぎたわい。
それではそろそろここは引き揚げて次の撮影地へ出発しようかのう。
この先にはまた別の桃源郷が待っているのじゃよ。
ここまで来たからにはそちらも覗いてみなければ気が収まらぬわい。
谷底からまたこの坂道を登って地表へ出て行くぞえ。
しかし登りは楽じゃ。下りに比べれば軽い軽い。
つづく
無断転用禁止