前回のつづき
あてどもなくⅢ
無断転用禁止
お天気に振り回されて退散した先ほどの蓮池(前回)から移動すること約1時間―。
とある山あいのダム湖へ2、3年ぶりにやって来たわい。
何を撮るというアテはない。
手ごたえのない写真ばかりで、そのまま帰宅するのがいたたまれず、こんな遠くまで来てしまったというわけじゃ。
だが残念ながらここもあまり期待はできぬのじゃわい。
というのはこのダム湖はかなりの確率で渇水状態になることがあってのう。
意気込んでやって来ても、水量が減ってしまって荒れ果てた岸辺や湖底が露わになっていてがっかりすることがよくあるのじゃよ。
こんなに頻繁に渇水状態になって、ダム湖としての使命は果たせているのか不思議に思えるのじゃがのう。
やって来てみると案の定じゃ😫
やっぱり水不足でダム湖というより普通の川になってしまっているわい。
以前は樹木の根元辺りまで水位があった場所(2014.04撮影)が…
今日はこんなことになってしまっている。
湖底に沈んでいた枯れ木もむき出しじゃ。
かつての風情ある水中木(2020.12撮影)も…
今ではがれきに埋まってしまったわい。
周りの岸辺を見渡しても荒涼とした光景が広がるばかりじゃ。
ここは完全に湖底が露わになってしまっているわい。
通常ならばこの程度の水量なのじゃがのう。
2017.04撮影
もっと貯水量が多くなった時にはこんな光景も見られる。
この時は樹木が完全に水没してしまって、水面からははわずかに葉の色が確認できるだけじゃった。(2018.05撮影)
右隣の枯れ木を上下の画像で比べて見ると深さの違いがよく分かるわい。
こうした水不足は今までも頻繁に見られてのう。
以前には露出したこの湖底を歩き回ったこともあったわい。
歩いてみるとかなり広い面積じゃった記憶がある。
かっての建築物の土台らしいものまで残っている。
このダム湖建設に当たっては百軒ほどの集落が沈んだと聞いているわい。
ダムへ注ぐ川の水量も少ないのう。
川底が露出してしまっている。
今までに何度も同じような渇水状態が起こっているのじゃが、電力や治水の役目は果たせているのかのう。
何となく黄昏て来たわい。
と言っても、ここは目の前がすぐ山じゃからのう。
この時季でも午後5時半ごろには日が暮れてしまうのじゃ。
紅に染まる夕焼空も見ることが出来ぬ。
頂上付近がわずかに日が当たっているがもう日没じゃ。
最後の煌めき。
早くも夜の帳が降りてしまったわい。
明るく見えるのじゃが、実際にはオートではピント合わせが出来ぬほどの暗さじゃ。
長時間露光で何とか写ったわい。
辺りはもう真っ暗闇じゃ。
ここで車中泊?
こんなに切り立った山の中では明日の朝ドラは期待できぬぞえ。
といっても、老人の夜間運転は避けなければのう。
とりあえずここで泊まるしか仕方がないわい。
とつぶやきながらも、おもむろに🍺&🍱取り出した。
つづく
無断転用禁止