あてどもなくⅠ
無断転用禁止
この時季、当地方では雪はないし桜はまだでのう(2024年3月8日現在)。
撮影のための目ぼしいエモノがなくなってしまって困惑しているのじゃよ。
仕方がない。しばらくは巣ごもりの日々を過ごすとするか。
―などと思ったりしてみたのじゃが…
そんな無駄な時間を費やすことに我慢できるようなカメじいではないわい。
もうこうなったらどこでもいいのじゃ。
目くらめっぽう手当たり次第に出かけてやるか。
ーと腰を上げようとしていたその時。
TVのお天気ねえさんがこんなことを言っていたのじゃよ。
「今晩は気温が下がって降雪の地域があるかもしれません」
こんな情報を聞いたからにはこれを黙って見過ごせようか。
それっ!
とばかりにコンビニへ立ち寄って食料を買い込むや否や勇躍出発したというわけじゃ。
行先は決まっていない。
取り敢えずはワシの住処から1時間半ばかり先の標高1200~1400メートルばかりの高原へやって来たのじゃ。
この高原内にはスキー場があるのじゃがのう。
この積雪量では多分クローズしているじゃろうて。
しかし初心者コースだけは子供たちに開放しているようじゃ。
この高原には大小いくつかの池があってのう。
もしやすると池面が凍結して、面白い氷の模様が見られるのではと淡い期待を抱いて来てみたのじゃよ。
ところが…
こりゃ何じゃ?
氷の代わりにこんな桟橋のようなものが池の真ん中に居座っているのじゃよ。
知らぬ間にワシの許しもなくこんなものを作りおって😠
こんな邪魔物があったのでは景観を損ねることおびただしいわのう。
カメラマニアにとっては迷惑千万この上ないわい。
おまけに昨年からはこんなものも出来ているしのう。
紅葉のライトアップのときの有料見物席らしい。
こんな無粋なものばかり作りおって。
ちょいとはカメラマニアのことも考えてほしいわい。
―などと高原側の都合なぞ無視して身勝手な愚痴をこぼしているカメじいなのじゃ。
さらにはここから奥は冬季閉鎖と来ているからのう。
実はこの奥にワシの撮影ポイントがあるのじゃよ。
雪なんぞさらさらないのじゃからもう撤去すればいいと思うのじゃがのう。
融通の利かぬことじゃ。
こんなことでは話にならぬわい。
ここはもう諦めたぞえ。
次じゃ次じゃ。
🚙
つづく
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