”幻の道”その後 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

”幻の道”その後

 

無断転用禁止

 

 車両進入禁止、通行止、冬季閉鎖、イノシシ被害、クマ出没、おまけに地震―などなど。

 

 ワシの行くところ行くところが次から次へと制約されてしまって、もうどこへも撮影に行けなくなってしまってのう。

 

 今年に入って以来、毎日々々鬱々とした日々を送っているのじゃよ。

 

 あと幾ばくもないこの命じゃというのに、こんなに無意味な日々を過ごしてよいものか。

 

  どこか年寄りでも行けそうな場所はないものかのう。

 

 と、半ボケ頭をひねっているうちにふと思い浮かんたことがあったのじゃよ。

 

 昨年12月に撮影に行った琵琶湖の”幻の道‟はその後どうなったのじゃろうとね。ダウンダウン

 

 あの時は琵琶湖の水位が低下したため普段では見られぬ湖底が露出して、「幻の道」として話題になったものじゃが、その後の様子を見てみたいわい。

 

 どうせ暇じゃ。

 

 ちょいとばかり出かけてみるか。

 

 夕焼雲が染まる中で観光客が「幻の道」を散策する光景を真横から撮ってみるのも面白かろうと思ってのう。

 

 幻の道の入り口付近からの風景がフランスの修道院・モンサンミッシェルのようじゃと評判が立って、それと似たようなアングルの写真や動画はかなりの数が見られるのじゃが…。

 

 しかし幻の道を真横から撮影した写真はあまりお目にかからぬのじゃよ。


 

 こりゃひょっとするとそのアングルから撮るのはワシが初めてかもしれぬぞえ🤪

 

 と、内心ほくそ笑みながら早速、その撮影が可能な場所へやって来たのじゃ。

 

 その場所は奇しくも数年前から飽き飽きするほど何度も出かけているあのハスの群生地なのじゃ。

 

 しかし今まで幻の道の話など聞いたこともなかったからのう。

 

 ここへ来た時はハスを絡めた風景ばかり撮っていたのじゃ。

 

 

 前回では出現を知って初めてあの道を意識して撮ってみたのじゃが、あの時は真っ昼間の写真じゃったからのう。

 

 今回は夕照に染まる幻の道を歩く人々を撮ってみたいと思ったのじゃよ。

 

 ただこの場所からは南向きになるからのう。

 

 西向きのような真っ赤な夕焼けは見られぬかもしれぬが、夕焼雲のおこぼれぐらいは頂戴できるかもしれぬわい。

 

 

 

 

 さて、ここがそのハスの群生地なのじゃがのう。

 

 この時季、沖の方の枯蓮は波風などでほとんど千切れてしまい、棒状の茎が残っているだけじゃ。

 

 

 

 

 今日もかなりの強風じゃ。

 

 沖の方は白波が立っているわい。

 

 

 

 

 そしてここから南側を向くと、お目当ての”幻の道‟が望められるというわけじゃわい。

 

 画面左が湖畔、右側が「奥の州」と呼ばれる中州、湖上に長く伸びている横のラインが「幻の道」じゃ。 

 

 もしやすると湖の水位が上がって、幻の道は湖底に沈んでいるかもしれぬと、心配しながら来たのじゃが、まだ健在でホッとしたわい。

 

 琵琶湖は関西地方の水ガメじゃからのう。

 この地方に住み暮らす衆にとっては水位が上がったほうが良いに決まっているのじゃが、カメラマニアの勝手な言い草からすれば、このままの方がフォトジェニックでありがたいのじゃわいお願い

 

 

 

 

 道を渡った先にあるのが「奥の州」と呼ばれているこの中州じゃ。

 

 ずいぶん横に長いのう。

 

 前回にあそこへ渡った時は途中で引き返してしまったのじゃが、改めて横から眺めると先端までは相当の距離がありそうじゃ。

 今にして思えば引き返してきてよかったわい。

 こんなヨタヘロ老人が行けるわけがないからのう。

 

 

 

 

 それにしても今日は道を渡る観光客が見当たらぬのう。

 

 前回のときはかなり大勢の衆が散策していたのじゃが…。

 

 傍の駐車場も満車で入れぬぐらいじゃった。 

 

 しかしここは夕日のメッカじゃから、もうちょいと時間が経てば観光客やらカメラマンでいっぱいになるじゃろうて。

 

 黄昏時になるまでしばらく待ってみるか。

 

 

 

 ヒマじゃからまた枯蓮の撮影じゃ。

岸辺に近い蓮は辛うじて千切れずに残っているものもある。

 

沖の方は波風が強いために途中から千切れてしまうのじゃろうのう。

 

 

 

 

 しかし夕暮れまでにはまだまだ間があるわい。

 

一度幻の道の入り口まで行って様子を見てみるか。

 

…と、この場所は一旦オサラバして、道の入り口付近の駐車場へ乗り入れてみると…。

 

 

 

 

 これはどうしたことじゃ!?

 前回には入りきれないほどの満車状態じゃったというのに、今日はワシの車を除けば一台だけ!

 

 

 

 首をかしげながら道の入り口付近へ行ってみてさらにびっくり仰天!

 何ということじゃ!

 

 幻の道は途中で寸断され、真ん中辺りは水の中じゃ。

 

 文字通り”幻‟の道と化していたのじゃわい!

 

 これでは誰も来ぬはずじゃ。

 

 

 前回来た時はこんな立派な道が出来ていたのにのう。ダウンダウン

2023.12撮影

 

 

 

 

 

 かつてワシがヨタヨタしながらも渡って行った道は、今では白波の立つ湖底に沈んでしまったわい。

 

 

 

 

これでは何ともならぬ。

 

残念じゃが今日はもう退散するとしようか。

 

と、一時は思ったのじゃが、せっかく2時間余りも掛けてやってきたのじゃ。

おめおめと引き下がるわけにはまいらぬわい。

 

と、また元の場所へ引き返して行ったのじゃ。

 

 

 

 

 遠くからでは道が続いているように見えたのじゃが、撮影した画像を後から拡大してみたらこの辺りが途切れていることが分かったわい。

 

 

 仕方なくまた枯蓮の撮影じゃ。

 

白波を消すために精一杯スローシャッターを切ってみた。

 

 

 

 

 あまりスローにすると茎までぶれてしまうわい。

 

 

 

 

 黄昏時になったようじゃ。長時間露光にしたから静かな湖面のようじゃが、実際はかなりの荒波じゃ。

 

 夕照に染まる幻の道を期待しているのじゃが、こちらは南向きじゃからのう。

 

 大した夕焼けにはならぬじゃろうが、ちょいとぐらいは恩恵に与ることが出来るかもしれぬわい。

 

 

 

 

 

波間に揺れる花托。

 

 

 

 

日没間際になって来たが、水平線近くに黒雲が頑張ってしまっていて、竹生島にお隠れになるお天道様は撮れず仕舞いじゃったわい。

 

 

 

 

 邪魔な黒雲奴が!😠

 

 

 

 

荒波を消すためにスローシャッターを切ってみたが、枯蓮のリフレクションははっきり写らぬ。

 

 

 

 

 幻の道周辺も大した夕焼けにはならなかったわい。

 

 今日はもはやこれまでじゃ。

 

 明日は曇りの予報じゃからここにいても無駄かもしれぬ。

 

 このまま帰ってもよいのじゃが、年寄りの夜間運転は避けたほうが無難じゃからのう。

 

 明日になってからゆっくり帰ったほうが世間様も安心されるじゃろうて😅

 

 とりあえず今夜は車中泊…ではない”動くホテル‟へチェックインじゃ。

 

 ディナーは🍺付きのコンビニ弁当じゃぞえ。

 

 満腹になったところで特設ベッドルームで高いびき。

つづく

 

無断転用禁止