雪は降ったが
無断転用禁止
3、4日前のことじゃ。
就寝前にふと窓を覗くと…
何と雪がちらちらしているのじゃよ。
今冬で雪らしい雪は初めてじゃ。
たちまち写欲が沸き上がってきてのう。
よ~し。
明日は久しぶりに雪景色を撮ってやろうではないかえ。
と、子供の遠足気分でその夜は💤💤💤
そして翌未明の5時半…。
朝に弱いワシはアラームに無理やりたたき起こされたわい。
庭を覗くと雪はかなり積もっている。
しめしめ。
行先は毎度おなじみの近所のダム湖じゃ。
きっとダム湖の周りの山々は雪化粧してワシを待っていてくれるぞえ。ムフフフフ。
ところが外へ出てみると道路には雪なぞほとんど積もってないのじゃよ。
しかしせっかく乗り掛かった舟じゃ。いまさらやめるわけにはいかぬわい。
道路は雪がない代わりに凍結していてのう。
暁暗の中でアイスバーンが不気味に光っている。
そろりそろりと時速30キロ前後で走って行ったわい。
夜明け前の暗い道を走るのは久しぶりじゃ。
いつもは車中泊じゃからのう。目覚めたその目の前が現場じゃから走る必要がないのじゃよ。
何とか到着した。
気温を見ると-7℃じゃ。
ふむふむ。
冬はやっぱりこれでなくてはのう。
氷点下の世界に突入してこそ大傑作が撮れるというものじゃ🤪
雪の降る中を大災害で難儀しておられる北陸地方の衆には不謹慎極まる話じゃが、これもマニアの身勝手なたわごとじゃと思ってどうか聞き逃してくだされや。
現地についてみると、岸辺にはうっすらと積もっているのじゃが、周りの山にはまるで雪なぞないのじゃわい。
雪化粧した山々に朝の光が射し込んで、紅色に染まった雪景色を仕留めてやろうと意気込んで来たのじゃがのう。
がっかりじゃ。
しかし苦手な早起きまでして出かけて来たのじゃから、今さら引くに引けぬわえ。
またもや代り映えのせぬ光景になるじゃろうが、SDカードがカラのままで帰るわけにはいかぬわい。
河川敷への坂道を、ヘッドランプを頼りによちよちと歩いて行く。
目の前には毎度おなじみの光景が広がっているわい。
このダム湖に来ると一枚目は必ずこの光景になってしまうのう。
夜明け前の空が湖面を紅く染める。
しかし明るいのは谷間の部分だけで、他はまだ夜のとばりが降りたままじゃ。
上流からは薄氷の切片が流れてきた。
岸辺にはうっすらと雪。
中州も雪はあるのじゃが…
その周りの草木は何の愛想もないわい。
次々と薄氷が流れて暗い湖面で光る。
赤のリフレクション。
正体は赤色の橋桁じゃ😁
微風が湖面を揺らす。
暁の大飛行。
なかなかお天道様はお出ましにならぬわい。
公式の日の出時刻は7時00分。
とうの昔に過ぎているというのにのう。
今日のお天道様は右側に聳え立つ高い山の上からお出ましになる予定じゃからのう。公式時刻よりだいぶ遅れるのじゃわい。
はやる気持ちを抑えて
がまん、我慢。
指先は冷たいどころか感覚ゼロ。
遠くの山に陽が当たってきたようじゃ。
もうそろそろかのう。
湖畔の左側に陽が射してきた。
光が徐々に湖面に下りてくる。
待ち遠しいのう。
遠くの湖面にやっと光が射してきたのじゃが…
手前の湖面は薄暗いまま。
右側の山蔭はいつまで経っても暗闇じゃ。
業を煮やして日の当たっている位置まで移動してみると、あんなに高いところにお天道様が。
時刻はすでに8時20分。
公式時間から1時間20分経ってもまだこの有様じゃ。
こりゃ今日のところはもう退散するしかないわえ。
もうちょいと経って2月ごろになるとちょうどあの谷間の低い位置からお出ましになるじゃろうからのう。
そのころにもう一度挑戦してみるか。
しかし問題はそのころに大雪が降ってくれるかどうかじゃ。
雪が降ってくれぬことには代り映えせぬいつもの冬景色になってしまうからのう。
運を天に任せるより仕方がないわえ。
それにしても今日は不作じゃったのう。このままでは欲求不満じゃわい。
そうじゃ。
出かけて来たついでにいつものお寺の池にでも行ってみるか。
ひょっとすると綿帽子を被った枯蓮が見られるかもしれぬ。
何じゃと?
また枯蓮かいな!
もう見飽きたぞえ。
と、皆の衆からお目玉を喰らいそうじゃ。
しかしのう…
今のワシにはこれしか撮るものが思い浮かばぬじゃよ。
また駄作ばかりになるかもしれぬが、次回も何とか我慢してご覧くだされると嬉しいのじゃがのう😂
それでは枯蓮目指して出発じゃ~ぁ。
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つづく
無断転用禁止

























