思いがけなく
無断転用禁止
ここは滋賀県近江八幡市に広がる西の湖畔。
昔々は琵琶湖の一部じゃったこの湖は、干拓などによって周りが埋め立てられ、独立した湖になったという。
湖の周りには見渡す限りに葦が群落していて、カメラマニアにとっては格好の撮影エリアになっているのじゃ。
今日も今日とて何か獲物(被写体)はないものかと辺りをキョロキョロしながら車を走らせていたのじゃわい。
すると道路沿いの葦原の向こうに煙が上がっているのが見えたのじゃ。
む、む…?
ひょっとすると…?
葦焼き?
大急ぎで煙を目当てに現場へ急行!
やっぱり葦焼きじゃわい!
この季節になると、全国各地の葦原では葦焼きが行われる。
ここ西の湖でも毎年実施されていることを知ってはいたのじゃが、開催日までは分からなかったからのう。
一度は見てみたいと思いながら果たせずにいたのじゃよ。
何気なく通りかかったのじゃが、うまい具合にぶち当たったものじゃ。
しかしワシが着いたときにはもうほとんど焼け野原になってしまっていたのじゃよ。
チト遅かったかいのう。
ほんのちょいと残り火がくすぶっているだけじゃ。
何じゃい。もうおしまいかえ😫
こりゃ遅かった。
残念無念じゃ。
しかしせっかく来たのじゃ。水郷でも撮って帰るか。
…と思いながらふと頭を上げると…
別の方向にも煙が上がっているではないかえ。
おお!
こちらでもやっているわい、やっているわい。
こちらの方が盛大じゃ。
しかもこっちは水際じゃからリフレクションがたまらんわい。
もっと燃えておくれ!
もっと燃えよじゃと?
これがホントの火事ならば不謹慎な話じゃわい。
葦は燃えているのに立木だけ燃えないのが不思議じゃのう。
強風の場合など、気象条件によっては中止することもあるらしい。
しかし今日は無風状態じゃからのう。
中止の気遣いはないようじゃ。
葦焼きは病害虫などを駆除して、新しい良質な葦を育てるために行われているらしい。
カメラマニアとしてもこれはなかなかフォトジェニックな光景じゃからのう。
これからもぜひ続けてもらいたいわい。
そろそろ下火になって来たのう。
残り火がくすぶっているだけじゃ。
焼け野原から天高く昇る白煙。
どうもこれでおしまいのようじゃのう。
かの有名な関東地方の渡良瀬遊水地ほど大規模ではないが、一度は見てみたいと思っていた葦焼きに出会えて、今日はいい日じゃったわい。
さ~てと…。
いい気分になったところで、またいつもの枯蓮の撮影に行ってみるか。
ま、またかえ~?
そうじゃ、そうじゃよ。今度こそ夕陽に染まる湖上の幾何学模様を撮ってやろうわい。
飽きもせずに同じものばかり撮りくさって。アホじゃのう。
アホちゃいまんねんパ~でんねん。(
古っ)
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つづく
無断転用禁止
























