前回のつづき
当たるか天気予報 2日目
さて翌早暁じゃ。
目覚めるや否や、そっと車窓から外を覗く。
な、何じゃ?
こりゃどうしたことじゃ!![]()
夕べはあんなにお星さまいっぱいじゃたというのに、今朝の空はどうしたんじゃい。文句なしの曇り空じゃないかい!
天気予報なんぞ全くアテにならないのう。出かける前にピンポイントで情報を確かめておいたというのに・・・。
しかしいくらボヤいてみたところで、今さらどうなるものでもないわい。
じゃが悔しいのう。年寄りが1時間半も掛けて雪の中をやって来て車中泊までしているのじゃぞえ。ちょいとばかりワシの言うことを聞いてくれてもいいのにのう。
明るくなっては来たが、あれじゃあダメなんじゃよ。太陽が山から顔を出した瞬間が晴れていないと紅い光が射しこまないのじゃ。
気温も高い。
もうちょいと冷え込んでくれると面白い光景が見られるかもしれないのにのう。
とにかく森の中へ入ってみるわい。
よく見ると少し色づいた光が当たってはいるがのう。
しかしお天道様の前に薄雲があるから鋭い光が射しこまないのじゃ。色も深紅に染まらないしのう。
ワシの願いもむなしく、いつまで待っても光の矢は射し込んでくれない。
うすぼんやりした色づきの悪い光が入ってくるだけじゃ。
🐻の足跡じゃないのう。やれやれじゃ。
今ごろになってお顔を出して下されてももう遅いんじゃ。
そんなに高くお昇りになってからでは、光はとっくに色褪せてしまっているじゃないかえ。
お天道様よ、今ごろになってそんなに張り切って光ってもらわなくてもいいのじゃ。もう無駄じゃというのに。
さあ帰るぞえ。
またという日もあるじゃろうからのう。
(…と言って、自分で自分を慰める)
それにしても100%当たる天気予報ってないものかのう🤣
完
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