深紅に染まる琵琶湖 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

 このところ、思わしくない天候が続くのう。

 天気予報を見ても、ずーっと先まで雨や曇りばかりじゃ。

 

 梅雨だからと言ってしまえばそれまでじゃが、風景写真派としては家に閉じこもってボケーっとしているばかりで面白くないわい。

 

 若い時なら、少々の雨ぐらい気にしないで出かけたもんじゃよ。

 

 かえって小雨が降っていた方が面白い写真が撮れたりしたからのう。

 

 昔は梅雨時になると、シトシトと、降りみ降らずみの小雨だったものじゃが、近年はドサッとまとまった大雨が降り、テレビでは連日のように大災害のニュースが流れている。

 

 そんな時期に年寄りのワシが家を出るのはちょいと二の足を踏むんじゃよ。

 家族も心配するだろうしのう。

 

 

 ところが2、3日前に何気なくネットで天気予報を見ていたら、今日明日の両日に晴れマークがついているのを見つけたんじゃよ。

 

 こりゃあ何が何でも出かけなきゃなるまいぞえ。

 

 急きょ、クーラーボックスに食料を詰め込んで出発じゃ。

 

 行先はもちろん琵琶湖のハスじゃ。

 

 先日は曇りで、何ともならなかったからのう。

 今日はそのリベンジじゃぞえ。

 

 

 フムフム。

 今日はいいぞえ。初夏の陽光がまぶしいぐらいに降り注いで、水面も煌めいているわい。

 これでなくちゃあのう。

 やっと遠くから来た甲斐があったというもんじゃ。

 

 

 日が西に傾くにつれて、水面も黄金色に変化してきた。

 

 水鳥もねぐらへ帰ってきたようじゃな。

 

 母子らしい水鳥もねぐらに帰って行くのかのう。

 

 

 

 太陽が遠くの半島に沈みかけてきた。

 いよいよ一日の終わりを告げる一大ページェントが始まるぞえ。

 

  辺りは黄金色から深紅に変わってきたわい。

 

 

 南側の空までうっすら紅色じゃ。

 

 

 夥しい数の鳥たちがねぐらへ帰っていく。

 

 このあたりが今日のクライマックスかいのう。

 

 だんだん色も褪せてきた。

 

 

 

 さてと、

 この辺でぼつぼつ“店じまい”をしようかいのう。

 

 

 おや、月が出ているぞ。

 沈んだ太陽を追いかけるように沈んで行く細い細い月じゃ。

 

 ついでに1、2枚撮っておいて、今日これで終了じゃ。

 

 今日の写真を前回の写真と比べると、同じ場所から撮ったとは思えないぐらいじゃ。

 写真はやっぱり光が大切じゃのう。

 

 

 さて、湖東で夕景の撮影が済めば、もうすることはない。

 

 普段なら車中泊をして朝の撮影に臨むのじゃが、琵琶湖で西を向いていては朝焼けなぞ撮れるはずもない。

 

 かと言って、このまま帰ることには少々躊躇してしまうんじゃよ。

 どうしてかって? 

 そりゃあ歳を取ると、夜道、特に高速道路の走行は危険だからじゃ。

 

 老眼は年々進んでいるし、運動神経や反射神経も衰えていることじゃからのう。無駄になっても車中泊する方が無難なんじゃ。

 

 そこで今夜はここで車中泊をして、夜が明けたら早々に帰宅することにしたわい。

 

 幸いにも撮影現場の近所に駐車場を見つけた。ここで一夜の宿を借りるとしようかのう。生ビールzzzzzz

 

                                                    つづく