霧ヶ峰の朝 | 88歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

88歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

前号のつづき

 

 車中泊中に、ふと目を覚ました。

 まだ真夜中じゃ。

 

 歳を取ると、大抵は2、3時間で目を覚ましてしまうんじゃよ。

 

 朝まで連続して眠るパワーもなくなってしまっているんじゃろうのう。

 情けないことじゃが、皆が通る道じゃ。

 

 ふと車窓から外を見ると、地面がやけに白い。

 雪でも降ったのかと一瞬思ったぐらいじゃった。

 

 外へ降りてみると・・・

 何じゃい。 満月に照らされて地面が白っぽく見えただけじゃわい。

 

 せっかく起きたんじゃから、記念写真の一枚も撮ってから寝ようかのう。

 

 こんな時間に三脚やらカメラを出し入れしていたんじゃあ、年寄りの悲しさ、もう簡単には寝付けやしない。

 睡眠導入剤のお世話になってふたたび寝に就いたわい。

 

 午前3時50分。

 携帯のアラームで目を覚ました。

 

 夏になると、日の暮れは遅く、夜明けは早いからのう。おちおち眠っていられないぞえ。

 

 空を見上げると・・・

 ヤヤヤッ!

 暁闇の空が赤く染まり、すでに朝のドラマが始まっているではないかい。

 

 ぐずぐずしていると、昨日目星をつけておいたレンゲツツジを撮り損ねてしまうわい。急行じゃ。

 

 気温は7℃。

 寒いのも忘れて例の花株を撮りまくったわい。

 

 空が染まるのはほんの数分じゃからのう。

 セーターやダウンなぞ来ている暇はないんじゃ。

 

 お陰で、まあまあの手ごたえはあったわい。

 例によって残念ながらここではお見せ出来んがのう。

 

 一片の浮雲が朱に染まっている。

 

 白樺湖も黄金に輝いているわい。

 

 また富士山を撮ってしまった。

 朝日に照らされて残雪が輝いているわい。

 

 わしゃあ山には疎いから名前は分からんが、まだ雪が残っているのう。

 

 久しぶりに八島湿原にも立ち寄ってみたわい。

 

 帰りがけの道から撮った白樺。

 

 今日はちっとばかり手ごたえがあったぞえ。

 

 だんだん観光客の車も増え始めたのう。

 わしゃあこの辺りで帰途に就くとしようか。

 

 途中で一眠りして、老いた体を休めながらのうバイバイ