前号のつづき
車中泊中に、ふと目を覚ました。
まだ真夜中じゃ。
歳を取ると、大抵は2、3時間で目を覚ましてしまうんじゃよ。
朝まで連続して眠るパワーもなくなってしまっているんじゃろうのう。
情けないことじゃが、皆が通る道じゃ。
ふと車窓から外を見ると、地面がやけに白い。
雪でも降ったのかと一瞬思ったぐらいじゃった。
外へ降りてみると・・・
何じゃい。 満月に照らされて地面が白っぽく見えただけじゃわい。
せっかく起きたんじゃから、記念写真の一枚も撮ってから寝ようかのう。
こんな時間に三脚やらカメラを出し入れしていたんじゃあ、年寄りの悲しさ、もう簡単には寝付けやしない。
睡眠導入剤のお世話になってふたたび寝に就いたわい。
午前3時50分。
携帯のアラームで目を覚ました。
夏になると、日の暮れは遅く、夜明けは早いからのう。おちおち眠っていられないぞえ。
空を見上げると・・・
ヤヤヤッ!
暁闇の空が赤く染まり、すでに朝のドラマが始まっているではないかい。
ぐずぐずしていると、昨日目星をつけておいたレンゲツツジを撮り損ねてしまうわい。急行じゃ。
気温は7℃。
寒いのも忘れて例の花株を撮りまくったわい。
空が染まるのはほんの数分じゃからのう。
セーターやダウンなぞ来ている暇はないんじゃ。
お陰で、まあまあの手ごたえはあったわい。
例によって残念ながらここではお見せ出来んがのう。
一片の浮雲が朱に染まっている。
白樺湖も黄金に輝いているわい。
また富士山を撮ってしまった。
朝日に照らされて残雪が輝いているわい。
わしゃあ山には疎いから名前は分からんが、まだ雪が残っているのう。
久しぶりに八島湿原にも立ち寄ってみたわい。
帰りがけの道から撮った白樺。
今日はちっとばかり手ごたえがあったぞえ。
だんだん観光客の車も増え始めたのう。
わしゃあこの辺りで帰途に就くとしようか。
途中で一眠りして、老いた体を休めながらのう。