さて、翌朝は4時に目覚めて⋯⋯というより携帯電話のアラームに起こされた。
早速辺りを見渡してみると、何の変哲もないいつもの風景が広がっているだけじゃったが、気温を見てみると18度じゃ。窓を開けて朝の涼風を胸いっぱいに吸い込んだわい。
しばらく待ったが、周りの光景は相変わらず平凡そのもの。あとから次々と乗り込んで来るカメラマンと思しき人たちも、この光景を見るとがっかりしたようにすぐ引き返していくんじゃ。
ワシも半分はあきらめながら、コンビニのパンをかじっていると、目前の湿地の地面すれすれに霧がうっすらと漂ってくるのを見つけたんじゃ。
霧は時間とともに湿地全体に広がってゆき、やがて日の出とともに霧は黄金色に輝いて行ったんじゃ。
ワシのほかに誰もいない中で、シャッター音だけがやけに大きく響く。
カシャッ、カシャッ。
やがて太陽の上昇とともに辺りはいつもの見慣れた風景に変わってゆき、撮影を終えて運転席に戻った時には腰が痛いやらしんどいやら。
夢中になっているときには自分が82歳の老人であることなんかまるで忘れてしまっているのに、現実は厳しいもんじゃなあ。
同じ朝に撮影した富士山遠望。この山はどこから眺めても魅せられる
