おしゃれな食卓に憧れる大人女子のための習い事
北海道 札幌 テーブルコーディネート教室・おもてなしサロン Camarade.キャマラードを主宰しております、食空間コーディネーター中西まゆみ です。
いよいよ年の瀬。
今年もあっという間に過ぎ、いつものように慌ただしい年末を迎えています。
あなたは、元日の朝にお屠蘇をいただく習慣がありますか?
地域やご家庭によって違いはあるようですが、本来のお屠蘇について書いてみますね。
お屠蘇とは、元日の朝に若水(元日の朝、その年一番最初に汲んだ水のこと)で身を清めて、神棚に手を合わせ、家族で新年のあいさつを交わしたあとにいただくお酒のことをいいます。
こちらがお屠蘇をいただくための酒器、屠蘇器です。
我が家のは黒い漆器ですが、格が高いのは朱色です。
ちょっと混同しがちなのがお神酒。
お神酒とは、神棚に供えるお酒のことで、これをお正月にいただいて、お屠蘇の代わりとしているご家庭もあるかもしれませんね。
お屠蘇とは、大晦日の晩から一晩(5~8時間ほど)屠蘇散(屠蘇延命散)という数種類の薬草を、清酒やみりんで抽出したものをいいます。
これが屠蘇散。
屠蘇散、あまり馴染みがないかもしれませんが、薬局やドラッグストアなどで売られていますし、年末に売られているお酒やみりんを買うとついてくることもありますよ。
今年購入したものは中をあけるとこうなっています。
あけたとたんに、薬草の独特の香りが部屋中にただようほど。
屠蘇器の絵が描かれているのが可愛らしいですね。
原材料を見てみると、桂皮・山椒・桔梗・大茴香・丁字・浜防風と書かれてあります。
(注:メーカーによって、配合されている生薬の違いあり)
いかにも身体に良さそうな、これら生薬が抽出されたお酒を、元日の朝 お節をいただく前に飲むことで、邪気を払い、無病息災を願い、幸せな1年となるようにとの意味が込められた新年の風習なんですよ。
ご存知でしたでしょうか。
いただき方は、屠蘇器で年長者が年少者の盃に屠蘇を注ぎ、年少者から年長者の順に、3度に分けて口に含み飲んでいきます。
これは、年少者の生気を年長者へ送り渡すという意味や、古代の毒見の名残という説もあるようです。
飲むときは、東の方角を向いて飲むのだそうです。
「ひとりがこれを呑めば一家病なく、一家これを呑めば一里病なし」
清酒とみりんの配合や、浸す時間はお好みで。
みりんは、調理用のものではなく本みりんを使ってくださいね。
最近では、屠蘇器のあるご家庭は少なくなっているようですし、もしあったとしても、なんとなくお正月の飾りと化しているかもしれません。
屠蘇器の銚子には、このように屠蘇飾り(雄蝶)をつけるのが正式です。
日本人でありながら、日本の文化を忘れてしまいがちな現代。
諸事情で屠蘇をいただくことができなかったとしても、大切な日本の文化を知り、伝承していくことが大事なのではないかと思います。
あなたも、お忙しい年末かと思いますが、お屠蘇の準備をなさってみてくださいね。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。 まゆ
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