足のしびれに苦しむ女性の話 | 湯たんぽのブログ

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 さまざまな難病治療にいわゆる代替医療を用いて対処している『湯たんぽ』が日頃考えていること、経験していることを書きます。難病のなかでも、線維筋痛症や慢性疲労症候群の病態や治療を中心に書き込みます。

 かれこれ10年近く両足のしびれに苦しんでいらっしゃる80歳の女性が受診されました。

お住まいの区にあるすべての婦人科・整形外科を受診なさったのですが、治療は受けるものの効果がなく匙を投げられた形になったというのです。

心療内科を勧められて受診したところ、処方された薬を飲むと胃がおかしくなるそうですが、しびれの方が辛いので我慢して内服を続けていたそうです。

 

 しびれがつらくて、書家としての仕事ができなくなってきたそうです。

手には痺れはないのですが、書を認めるある程度まとまった時間を取れなくなっているという困った状況です。

 

 診察すると手が冷たいのです。

手のひらの中央部でも31度しかありません。

指紋の中央部付近では23度から25度程度と、わずか10センチ程度の距離で5度以上の温度差がありました。

通常はこの距離ならば1-2度程度の温度差です。

如何に冷えているかこれでわかります。

 

ちなみに腋窩で体温を測定すると35.1度と、体温も低い状況です。

 

お腹は温かいのですが、手足が冷えてお腹が温かいのは褒められたことではありません。

お腹を守るために手足が犠牲になっているのです。

 

 お腹にある内臓を守らないと生命の危機に陥ります。

手足はなくても生命は維持できます。

そのため生命を守るためにお腹が優先されるのです。

 

 お腹は温かいだけではなく、胃に食物が残っているのがわかりました。さらにガスが充満しているような状態でした。胃腸の動きが悪くなっているのが明らかでした。

 

 この状態で薬を飲んでも吸収率が悪くなり、効果は乏しいと考えられます。第一にしびれに効く薬はないと考えて間違い無いように思います。

整形外科では足のしびれに関係するだろう腰部脊椎管狭窄相を疑ったようですが、その病態はあるものの程度は軽度で、自覚的に感じているしびれの程度は説明できないと考えているようでした。

 

 足も冷え切っておりました。

足が紫色になるそうで、これだけ身体が冷えていると眠れないと思います。

 

 湯たんぽで体幹部を温めることをしました。

これだけでは到底足の冷えを改善させることが難しいと判断し、足の湯たんぽも併用しました。

ブーツ型の湯たんぽで足を温めると快適に感じます。

少し足が温まったところで、足首から先に綿花を利用したまだらめ式間接灸で刺激しました。

 

 しびれが軽減してきました。

 

冷えると身体の組織がむくみます。

そのため神経が刺激されてしびれが出てくると考えられます。

 

身体を十分に温め、身体組織のむくみを改善させる方向に向かえば、しびれは改善すると考えます。

 

 次回から本格的な治療に入ります。

 

 青山・まだらめクリニック