50歳台後半の女性患者さんの話の続きです。
この患者さんはコロナ感染後慢性疲労症候群と線維筋痛症の合併した状態と診断されます。
PS 8, JFIQ 86点とともに重症でした。
治療すると元気になり、1年以上買い物に行けなかったので洋服を買いに行って増悪することを2回やってしまいました。
これがなければもっと早く良くなるのに残念な失敗です。
コロナ後遺症に限らず、慢性疲労症候群や線維筋痛症の患者さんがよくやる失敗です。
身体の状態がまだ良くないのに、結果的に無理なことをして症状が増悪するのです。非常に勿体ないことです。
PS 3になるまでは極力身体を動かさないことが必要です。
この患者さんは通常の綿花を利用した、まだらめ式間接灸では効果が上がりにくいほど重篤な状態でした。そのため以前にも書き込みましたが、注射をしております。
JFIQ 85点程度だったのが、注射後には60点台まで痛みが軽減しました。その効果がほぼ1週間持続しました。
この経験を線維筋痛症学会の長老の先輩医師にみていただきました。
同じ薬剤を用いた注射治療の経験を話してくださいました。
注射直後は痛みが軽減するが、診察室を出る頃には痛みがぶり返しているというのです。
注射の打ち方が全く違うので、薬剤が入る位置で効果が全く異なることが想像されます。
長老の先輩医師の打ち方は単なる筋肉注射です。
”湯たんぽ”の注射の打ち方は注射の針の長さが違います。
通常の針ではなく、8センチの長い針を使います。
ツボ刺激のイメージで注射しております。
同じ薬剤を使っても注射の打ち方で効果は変わります。
ある程度の期間、JFIQが60点台まで低下すると余裕が出てきました。多少痛みに変動があっても、あまりうろたえなくなりました。
疲労倦怠感こそ一時的にPS 7に軽快したことはありましたが、基本的にはPS 8で推移。
JFIQは初診時には86点でしたが、60点台の前半を維持しております。
新年になり50点台を記録しましたので、もう少し経つとコンスタントに50点台に突入すると思います。
そうなれば食事も摂りやすくなり、疲労倦怠感も軽減してくるだろうと推測しております。