公立高校に目を向ける"名門";大学
大学にとっての入学審査は国づくりの人材選びのようなもの、というお話は前にお伝えしました。この国づくりの人材源となっているのが、高校です。公立、私立、Prep, Boarding Schoolなどさまざまな高校があります。以前のこの国づくりの焦点になっていたのが、人種,民族の多様性というものでした。このために、白人の生徒以外の優秀な生徒をさがすために、大学のリクルーターは特に私立やPrepSchool を訪ねたといいます。というのは、このような私立の高校では、公立とちがい、APなどもふんだんにあって、大学入学後にも十分やっていける学力が生徒にあると、この時点では思われていたからでした。したがって、この頃は一部を除き公立高校はリクルーターの視界の外でした。
現在は、その頃と少し様子が違ってきたと言います。大学のリクルーターは公立高校も訪問し始めました。その原因は、公立高校でもAPの科目をふやし、まだ数では私立には及ばないものの、一応、必要な科目は完備しているという状況に改善が進んだと言うのが第一点、そして大学のリクルートの焦点が学生の経済的背景の多様性と変化してきていると言うのが第2点ということです。裕福な家庭の子弟の通う私立高校ばかりでは、経済的に中層や下層の子弟をリクルートできません。たとえば
Pomonaのリクルーターも息子の入学があったその年に、かれの高校に始めてやってきました。多分LACでは、初めてです。
公立の高校の校内でも格差は広がってきています。しかし、上位の生徒達をとれば、いまでは、私立、Prepとほとんど遜色がないとAdmission では考えているようです。優秀で大学の授業のための準備が十分にできている生徒は、Prepにもいるし公立にもいるという理解がこれらの大学では、一般化してきているようです。アイビーに数人の合格者をだした、ハワイ州のある公立高校は、その年のうちにアイビー数校からのリクルーターが初めて訪問したといいます。いま、国づくりの焦点となっているキイワードは家庭の経済的な背景の多様性です。
話が、少しわき道にそれますが、この多様性という世界にとって留学生という要素の持つ意味あるいはその意味の重さというものが分かれば、留学生の心配も少しは軽くなるかもしれません。しかし、この特殊な要素をどう扱うかは大学によっても、また年度のよっても、おそらく千差万別、これは残念ながら私には分かりませんし、考えもいまは、想像の域をでません。
授業料値上げの申し開き
最近Pomonaの学長から父兄宛に、学費の値上げに付いての通知がありました。いつものように学長の直筆サインいりです。このなかで彼がこの値上げについての釈明をしている部分があります。うーん、これは上手い、敵ながら天晴れと言う説得文ですので、ここに引用してご紹介します。英文のままですがあしからず。
The liberal arts education provided at Pomona College is among the finest in the country and your tuition dollars go directly
toward maintaining that high standard of excellence. We make every effort to keep cost down, but never at the expense of
quality. Pomona students have the opportunity to take discussion-based classes and work closely with faculty, as well as
to share in the benefits of residential life in a supportive campus community. We strive to keep our dormitories, classrooms
and laboratories at the highest level of quality to further strengthen the student experience. Each year we recruit new faculty from among the top doctoral programs in the country, often in competition with other fine collges and universities.
Providing such a personalized and uncompromising education is not inexpensive, but our students deserve no less.
私が受けた、日本の大学教育のことを考えると、日本国内の学長のうちで何人が胸を張って、自分の大学は最高級の教育を提供していると語り、学費値上げの釈明ができるのかと思ってしまいます。
この通知書の終わりの結びのことばの駄目押しは
It is a pleasure and privilege to live and work on the campus with such a remarkable group of students.
学長も住み込みです。私がこの人に会ったときの印象は、知的で穏やか、温かい人柄というものでした。。
学費値上げの季節です。
追:そういえば、受験の結果が4月のはじめには発表になりますね。もうすぐです。UCもDavisまでは発表になったとか。あとは
San Diego, UCLA UC Berkeley が残っています。
州立大学の入学枠と補習授業
カリフォルニアやテキサスでは、州による大学の教育制度が完備しています。高校の成績によって、大学の進路が振り分けられ
カリフォルニアでは、全高校生の上位12%までは、UCに席を確保でき、その下の30%まではCSUに入学が保障されています。またこれ以下の生徒達にもCCでの教育が比較的に廉価で提供されています。これは以前にお話しました。
このようにいわば人口によって枠をきめて入学生をきめていくと、高校の教育の推移によって、学生の学力が変わってくると言う問題があります。UCのように、受験の際の競争があり高い学力を要求する大学では新入生の学力というものに、いまのところ問題はないようです。またUCには補習の授業が、学内にありません。、CSUでは下位の入学者に学力の問題がでてきているといいます。これは、Placement Testの結果、学力の英数のどの部分に不足があるのかがわかるわけです。。
CSUのなかで群を抜いて優秀といわれるCalifornia Polytechnic University, San Luis Obisboではこの補習授業の受講者が
15%ほどですが、その他の大多数のCSUで30-50%ほどで、最低のDominges Hillでは80%以上がこの補習授業を受けていると言います。大学では、学生の学力がないからといって、授業のレベルを下げる事はできません。したがって、学生にこの学力をつけてもらうための補習授業するわけですが、これは、本業ではなく"高校はいったいなにをしているのか”と言う非難の声が大学側から上がっているようです。
テキサスでもUniversity of Texasは高卒の上位10%が入学保障されています。ここでも、CSUと同様な問題が出てきていると言います。
この補習授業を取った学生の進路についての調査もあります。この調査は私の住んでいる近くのCSUに付いてです。学生の45%が補習の授業をうけますが、この補習をうけた学生のうちの60%が大学院に進学するといいます。この60%と言う数字は正直に言って少し驚きました。。補習の甲斐ありと言う事でしょうか?
経過はどうであれ、終わりよければすべてよし、という事なのかもしれません。この大学には日本からの留学生が学年50人程度いるそうです。またこのCSU、23キャンパス全体の学生総数は50万人と言われています。
大学ニュース 2件
今日は大学の付いてのニュースをふたつ。
一つは、ハーバードの編入枠が半分になるということです。
これは、新入の登録者が1640人台から1680人台になり、学生数が増えているので、編入の枠が小さくなってしまったということです。2006-2007年度に秋に55人、春に20人の編入があり、合計75人でした。将来は、これが半分の40人弱になるだろうということです。新入での受験生もますます増えていて、、22000人に達しているそうで、また編入には1000人が応募するとのことです。数はすくなくなってしまいましたが、大学側は、We always want to have space for some exceptional transfer
students."と述べています。ちなみに他のアイビーでは、昨年Cornellの編入枠は600人、Yaleは過去15年にわたって、24人程度、Princetonでは編入生を取らない、とまちまちです。
2つめは、Davidson Collegeが財政援助のなかから、Loanをなくすると公表した事です。
North Carolinaにある、このLACはFinancail Aidに組み込まれていたLoanをGrantとWork Studyに切り替えると発表しました。この動きはLACでは初めてです。Princetonが借金なしで卒業できる大学として知られていますが、Davidsonも卒業生がLoan
返済のために、高収入の職に付かねばならないという状況をなくし、自分のやりたい仕事につけるようにする事がk眼目のようです。このためにDavidsonは毎年$3.5Milの出費を計上すると言います。話はすこしずれますが、North Carolinaは教育という面で注目に値する州のようです。University of North Carolina、Chapell Hillでも、学生にたいする援助がいきとどいているようです。またここの知事は義務教育をコミュニティカレッジ卒業レベルまで延長しようとしています。いずれにせよ、はやくPomonaもDavidsonの快挙を見習ってくれるように、私も希望しています。
A College That Runs Like Butter。
息子が春休みで帰省してきました。ほんの3日半の滞在でした。私と政治論議をしたり、親戚を訪ねたり、友だちと遊んだりであっという間に時間が過ぎ、昨日帰って行きました。この間に変わった事はないかと彼に尋ねた時に、”ぼく、大学の職員にさせられたんだ"と言う返事。もう少し、説明を聞いてみると、なんだか、風が吹けば、桶屋が、、、の様な話でした。
彼は、去年から、大学の近くの町の中学校で毎週ボランティアの活動をしています。学生が10人ばかり行くために足として、大学の車を借りて使用していました。息子は今学期から運転手を買って出て、片道20分ほどの距離を運転していました。そうしているうちに、大学が、学生の公用車の使用に付いて再検討することになり、その結果、学生の運転は禁止となりました。そして一時は大学の職員がこのボランティアが中断しないように彼らの送り迎えをしていました。事故の保険が適用されるのは、大学職員が運転者の場合のみと言う規定が明記されたからのようです。
しかし大学もいちいち学生の送る迎えのために、正規の職員を毎週運転手として使うのは、不便であると言う見解にたっしたようです。そこで、2週間後には職員でなければ、事故保険が適用にならないのであれば、息子を職員にすればいいということになり、また職員である限りは報酬も払うということになりました。結果として、息子は、週の$8.50のアルバイト代の追加がもらえるようになったというお話でした。
学生のボランティア活動に支障をきたさないように大学が面倒を見ると言うのにも感心させられますが、"それなら、この学生を職員にしてしまえ”と言う発想やそれを即決で実行という件にもも少し驚いています。多分このあたりが、PomonaがSchool rans like butter(潤滑に運営されている学校)と呼ばれる要因なのではないかと思います。
間違いを認めると言う事
自分の間違いを自ら認めると言う事はなかなか難しいと、私は思います。年を取るとともに自分に甘くなりその反動として
頑固になることもあるようです。気をつけなくては。
私が今でも驚いている、間違いを認める件は、2件あり、一つはベトナム戦争の思想的な指導者であったマクナマラ氏で、彼が
ベトナム戦争政策は間違いであったと出版によって公言したことです。これは晴天の霹靂でした。この戦争で5万人以上のアメリカ兵士が戦死したわけで、この人は大変な勇気があり、また80際ををすぎても柔軟な思考の出来る人なのだと思います。また
アメリカ人一般の性格として、、間違いを認めた人に対しては寛容だということも間違いを認めやすい環境であると言えると思います。
もう一人はゴールドウォーター氏で、この人は自分が南部の州の知事であった時に取った人種差別政策が間違いであったと認めました。1960年代のことを1990年代まで考え続けて老境にはいってから再評価。再判断をくだして自分の間違いを認めると言うのは並大抵の事ではないと言う印象を持っています。黒人達の公民権運動の弾圧では有名な知事であった彼は"白人の南部"を掲げて、ケネディと対立していました。この人の180度の立場の変化というものに、以前の自分に対しても批判的な分析をする思考力というもの見受けられ、その事も驚きです。
人間年をとってもかくありたし、と教えてくれる先達たちです。
経済的な成功のための教育
このブログによくコメントを下さる、いちろうさんがMoney Driven Lifeという表現を紹介されたことがありました。経済的な成功ということを目標とした人生のことです。このような人生は、私とは無縁のことですが、公正を期すために、このような希望をもつ学生がいま、アメリカでどのような、人生行路を取るのかに付いて述べてみます。
一昔前までは、医者、弁護士、工学関係のPHDとMBAが教育による資格から得られる高額所得の代表でした。しかし最近はこの事情が少し変わってきているようです。結論をいえば、MBAこそが、アメリカのTHE BEST & THE BRIGHTESTが希望する進路であるそうです。これは、教育投資という点で大学院教育をみて、投資に対する利益率の最も高いのがMBAとのことです。
医者は一人前になるまで大学卒業後8年かかり、奨学金の可能性も大変限られています。医学校卒業時に医学校に通うためにかかった、費用のうちの、$10万から$20万が借金として残り、高所得でありながら、高借金の人生を歩まなければならないといわれています。また、自分の医院を持ったとしても、医療ミス保険などの料率が高く、医療は固定経費の比率が高い分野となってしまいました。
弁護士はJDまでの学費を自己負担できるのであればいいのですが、これも借金つきの卒業となれば、実質収入の点で、理想的とは言えないようです。平均の初任給は$75000程度ではないかと思います。
工学系のPHDも、もてはやされているのですが、残念ながら、初任給ではMBAに適いません。このトップスクールをでたPHDの初任給の平均が$90000だそうです。PHDになるには、普通4年から5年かかります。
MBAでは、2年間の教育でこのトップレベルのの卒業生で初任給が$100,000といわれています。
経済感覚に鋭いものを持つ人が多いといわれるユダヤ系アメリカ人の医学生の比率が半減してると言います。Investment BankerやFund Managerという職種が今一番人気という噂です。成功すればボーナだけでの年収がが数百万ドルに達する事もある職種です。
大学の寄付金あつめ
Pomona Collegeからは毎年一回、在校生から家に寄付の勧誘の電話があります。”わたしはFreshmanのChuckです。寄付のお願いのために電話をしました。今年もご協力願えるでしょうか”という内容です。Pomona はとても小さい大学なので学年で375人、全学生が1500人。生存する卒業生が20000人と言われています。去年はこの定期募金で集めたお金が$400万でした。期間中に毎日平均$50万ぐらい二寄付金があつまるといいます。まさに集金マシンです。
この集金の結果を大学ではまとめて、会社のカタログのような立派な募金活動報告書を毎年刊行します。そして、この中には募金者の氏名と金額がリストにされて、何千と並びます。このリストを見て驚くのは、大口のしかも多年にわたる寄付者が大勢いることです。$20万から$30万の寄付を毎年している卒業生もいて、さすがアメリカと思ってしまいます。企業の後援者もいて毎年寄付をしてくれているようです。年齢的に見て、面白いとおもったのは、若い卒業生が中年に比べて、多く献金をしているということです。これには、おそらく家庭の事情というのがからんでいるのでしょう。また60歳以上も多額に献金しているようです。85歳で$500なんて人を見ると、ちょっと感激しますね。卒業生が大学に持っている感情が表れていると思います。
ここで集められた募金は100%大学の教育に使われます。一部は留学生の奨学金にもなっています。なんどもお話したように、学生一人当たりの基金が$1Millionnあり、一人当たりの基金額ではHarvardにつぐNo.2の裕福な大学のPomonaでさえ、大変なエネルギーを費やして、お金集めをします。この大学では、お金の使途がガラス張りですから、寄付者がお金も出しやすいと言う点もあると思います。たとえば、息子が奨学金の申請のさいに、匿名の寄付者にむけて、自分の大学での業績や活動に付いて報告することが義務付けられています。この報告書は多分学生の名前は削除されるのでしょうが、寄付者のもとに届けられ、寄付金の効用が学生からのレポートと言う形で理解できるという制度になっています。
以上の定期募金のほかに、個人の寄付もあります。2年前には$1000万の寄付をした老婦人がいました。彼女は自分の人生で一番楽しかったのがPomonaの時代だったという感想とともに、この寄付をしました。このお金はさっそく、新校舎の建設につかわれて、今この校舎は落成したばかりです。
学生から徴収する学費だけでは、私立大学の多くは大赤字です。潤沢な資金を維持するためには、基金の投資運用(Pomonaでは17%)とともに、このような、募金運動が必要なのでしょう。 投資と言う面からみると、$1Billを超えた基金のあるところは、それ以下以下のところに比べて、2倍の利率の利益があると言われています。
体が不自由な学生のための大学リスト
世の中にはいろいろな人々がいます。足の早い人も居れば遅い人もいます。なかには、歩けない人たちもいます。これが私たちの世界のありのままの姿です。このような体の不自由な人たちがすごしやすい大学のリストがあります。これはNew Mobilityという雑誌に掲載された記事jからのリストです。記事は以下のサイトでご覧ください。詳しい説明があります。
http://www.newmobility.com/review_article.cfm?id=122&action=browse
1.University of Illiois at Urbane-Champain
2, University of California, Brekeley
3. Edinboro University of Pennsylvania
4. University of Winsonsin, Madison and Whitewater
5.University of Colorado, Denver
6. Frolida State University, Tallahassee
7. University of California, Los Angeles
8。University of Minnesota, Twin Cities
9. Wayne State University, Detroit
10. Texas A*M University, College Station.
ノートをとってくれたり、本を読んでkれるサービスや、車椅子の修理の施設を持つ大学もあるようです。もちろん、個人教授(Tutor)のサービスも。
こちらでは、社会総体として、おそらく日本よりDisability Freendlyではないかと思います。社会の中で不利な立場の人たちに優しくすることが民度の基準なら、日本はどの位のところなのでしょうか。