まずは「今回の安倍総理の訪韓」の前に「なぜ合意したのか」の方を先に。
まず、日韓合意は前提条件で「日韓基本条約」について知らないと駄目なのです。回の件で言うなら、それには2つの裁判の判決内容を正確に知る必要があります。1つは韓国の最高裁での判決、もう一つは日本の最高裁での判決です。
長くなるけど最後までついてきてね。いくよー。
----
【日本の従軍慰安婦の最高裁判決について】
○日本の最高裁で2003年に出た判決で、「在日韓国人がいわゆる慰安婦として働かされたんで日本は賠償しなさい!」って内容。最高裁の判決は東京高裁の一審を支持しての棄却。判決的には原告敗訴なんですが、問題はその判決の内容。
---
一審の東京高裁は被告が言う「無理に慰安婦させられた」は認めたもののすでに請求権が消滅している事を理由にして「敗訴」としてるんですわ。
---
これは訴えた人の「騙されて慰安婦してました」を認めた形ですが、この判決が一般論にされてしまう。
この訴えた人がたまたまそうだっただけですが、マスコミやらの論調としては「全部の慰安婦はだまされてやらされてた」って勝手に書いちゃうわけですね。
勿論裁判となれば各自の事態を精査して決まる訳ですが、マスコミさんはそんなの関係なく書いちゃえる訳です責任なんて取りませんけど。
----
(個別のレアな判決例をすべてそうだったかのように報道しちゃったという話)
したがって日本の最高裁が一部とはいえ、慰安婦に対して日本の責任を認めた判決とも言える訳です。あくまでも論点は「請求権が消滅してるかどうか」になる訳です。なぜそこが問題になるかというと、日韓基本条約に1つ抜け穴があるからなんすよ。
----
【日韓基本条約の抜け穴について】
日韓基本条約ではその内容から「韓国」の請求権は終わってます。しかしその「韓国」ってのを、どう捉えるか…ってのがあって、一般には「国」には「国民」も「政府」も含みます。では国民個人の請求権は消滅しているか?というのが問題になる。
韓国も憲法で基本的人権を保証しています。したがって韓国の国民の請求権は存在しますが、それはあくまでも韓国が保証している点。別に日本は韓国の国民の人権までは保証してません。とはいえ一応国際的な慣例やら何やらは守りますよとも言ってる。ただ、国際法ってのは結構あやふやな物ですし、1個人の事例にまでは言及してません。したがって、韓国の国民が日本政府を訴えても、「日韓基本条約をもって消滅しています」と答えりゃ良い話。言うなら韓国政府に言えって話ですね。これまでの日本の方針はそうでした、先の最高裁判決が確定したのが2003年。つまり平成15年。第2次小泉内閣の時です。
それでほぼ終わってた話なんですが、慰安婦関連の団体は次に韓国政府を問い詰めました。日本を訴えたけど「基本条約」ってので突っぱねられた。どういうことだ、基本条約ってなんだ?と…
実は日韓基本条約は韓国内では非公開だったんです。
有耶無耶にできなくなった韓国政府は明博政権の時に、ついに基本条約を公開しました。日本から金を受け取ってる点。その時点で請求権は消滅している点。しかも慰安婦やら何やらについての賠償(韓国政府からの)もすでに終わってる点。
実は韓国政府は新聞とかに「被害者さん名乗り出て下さい。賠償金渡しますから」ってのを細々とやってたんですわ。ただし文盲やらが多い上に戦後で新聞なんか呼んでる場合じゃ無いときにね。なので、韓国政府に賠償請求しましたが、上記の理由により棄却。
まぁそれで「泣き女」演出が一杯あった訳ですが、日本としちゃ関係ないわけで、どうでも良い話です。この条約公開で団体側がある点に気づきます。
通常どんな条約にも「修正条項」ってのは含みます。当然日韓基本条約にもある。後に条文に問題があった場合は話し合って決めること的なヤツ。
つまり文句を言うならいえるんだ…と解った訳です。でもそれは条約を結んだ国どうしの話し合い。団体とか国民が単独でする話じゃ無い。あくまでも国として正式に「修正する!」って言わないと駄目。
【韓国での従軍慰安婦団体の訴訟】
そこで、団体側は韓国政府を訴えます。「国民が他国に対して賠償請求をするような時に、韓国政府は国民を助け無いのは憲法違反だ!」ってね。上手いこと考えます。そうして開かれた裁判で韓国の最高裁は原告側勝訴の判決を出します。これが2011年の明博政権の時。
つまり、韓国国民が不当だと訴えて、日本政府を訴えるような場合は韓国政府はサポートしないのは憲法違反である…となった訳です。
そうなると慰安婦団体が唯一残った突破口は、日本政府を訴えて、それをアピールして韓国政府を動かす事。凄いですよね、慰安婦の方がエライんだからwww
つまり韓国政府は慰安婦の事で日本を非難しないと憲法違反なんです。
ここで、そもそも論で「慰安婦なんてのは朝日のデマだ」ってのは通用しません。なぜなら、1つ前に書いた最高裁判決で認められた事例があるから。
----
【2つの判決を踏まえての日韓合意】
さて、問題はデカイです。なぜなら「日韓基本条約」ってのは、日韓の国家間外交すべての元だからです。これが覆ると所謂「断交」となっちゃうので、さすがに慰安婦の事位でひっくり返す訳にもいかないし、条約事態に修正条項が書かれているのだから原則論的にも応じないと駄目。通常は「のらりくらり」が良いのですが、それで良くなったことはありません。
--OKですか?ついてきてくれてますか?--- あとちょっとだから頑張ってついてきて下さいね。
日本側は、当然「のらりくらり」する事も可能です。でも、安倍政権は「もうはっきりさせる!」…という政策を取ったのが日韓合意だと思います。
となると、先の件もはっきりさせようという話になったんじゃないでしょうか。となると、修正条項に則って話し合いをするしか無い。
実はこれこそが「慰安婦合意」なんすよ。
条約には第三者(国)を交えて調整する事になってます。
居たでしょ?第三者(国)w わかりやすくするために画像を貼っておきますね。
先日韓国が「非公開」とされてた諸々をわざわざ公開してくれたんではっきりしたのが例の「不可逆」って話。
韓国は焦ったのか欲をかいたいのかわかりませんが、「不可逆」という点に拘ったと…これは当時のクネクネの就任挨拶でも言ってますが、韓国側としては「被害者韓国・加害者日本…という関係は変わること無い」という意味で使いたかった。しかし、加害者とか被害者ってのは、事件なりなんなりがあって、それをニュートラルな状態…平等の関係に戻す為に話し合いをして、賠償するとか謝罪するとかって話になる訳で、その被害者・加害者の関係が変わらないなら、そもそも何の合意なんだかさっぱりわからない。だからどんなに文章をいじっても、「合意によって決められた事を行い対等な関係になる」事にしかならない。そこに無理やり不可逆って単語をぶっこめばああいう文になっちゃうと。普通ならこれにも修正条項が入るはずだったのに、それを否定して、『最終的かつ不可逆的』なものという強烈な文を含んだ条文になった訳です。
しかもそれを求めたがのが韓国側であるという珍事が起きた。(自ら公開しましたからねぇ・・・)
----
ただし、それには一応安倍総理が「謝罪」しないとダメ出し、10億支払わないといけない。
しかし、これでこの問題において「対等」になる訳ですから、安いものです。しかも第3国、米国を裏書きに巻き込んでいるのですよ。
日本人としては首相が頭下げるのは頭にくるかもしれませんが、安倍総理としたら「1度頭下げるだけで良いならこれ幸い」ってところでしょうね。「一度さげたら何度も要求してくるぞ!」って人も居るでしょうがそれこそ「今後両政府はその点を蒸し返さない」ってのも合意内容ですからね。
---
【安倍総理はすべての判例、条約の抜け穴をふさいだ】
したがって、話は日韓基本条約に戻って、これにて韓国側の請求権は消滅しましたと。
(もう穴はどこにもないのです。)
慰安婦に関しては終わった話として、韓国側が財団作って賠償とかするならそこがすると。その基金として日本は10億お支払してるので、これも終わりです。空いた穴は全部塞いだ上で、二度と穴が開かない事になりました。
これが「慰安婦合意」です。
さきに「のらりくらり」がこれまでの日本側の対応で、それで良くなった試しがない…ってな事を書きましたが、よく考えてみて下さい。現在の文大統領の行動を…
慰安婦合意は破棄だ!と言って大統領になったムンさんですが、日韓基本条約にしても慰安婦合意にしても、ちゃんと調べてみればこの通り。すでにすべてふたをされてます。当然全部ひっくり返す事も出来ますが、それやっちゃうと、日本とは断交になっちゃうし、イロイロまずい。いくら北朝鮮大好き、中国大好き、韓国を赤化したいと思っていたとしても、断交しちゃうとなったら、さすがに全産業終了だし、国際的にもアウトだし、安全保障的にもアウト…それこそ韓国終了なんで流石に出来ない。
対中国にしても対米にしても、全部同じ状況。
となったら、各方面にちょっとずついい顔してバランスを取るしか無いし、実際そうしてます。そう見えないのは文大統領の外交が超下手くそだからで、全方向に喧嘩売る形になっちゃってます(そういう意味ではバランス取れてるでしょ?)
だから、ペンスと押しかけて言うわけですよ「show the flag」ってね。代理とかじゃなくて、安倍総理自身が言ってこれを突きつける訳っすよ。しかも北の将軍さんも来るんでしょ?その前で突きつける訳です。
上でも書きましたが、慰安婦の件は完全終了した件なんで、ある意味どうでも良いです。「慰安婦合意」ってのは上でも書きましたが、日韓基本条約の修正条項に対する合意なんです。慰安婦のことなんざどうでも良いんですよ。
それこそ、文大統領の対応で今後のすべてが変わると言っても良いわけですなぁ…
まぁどうせヘタれると思いますけどね。
さて、先日書いた 事実上の「日米殴り込み・・・」のブログをここを踏まえて読み返して下さいね。
https://ameblo.jp/calorstars/entry-12347574936.html
いろいろwktkするでしょう。平昌オリンピックが楽しみです。安倍総理の警護だけはしっかりとお願いします。心配はそこだけです。あとはシャンペンでも用意して楽しみに見ておくことにします。
(安倍総理・・・・なんて・・・ 恐ろしい子・・・・ って言いたいです)
--お知らせ--
政治的に行動できない自衛官を請願、署名などを通じて支援していく自衛官守る会からのお知らせです。憲法改正なども含め、自衛隊が迫りくる危機に対処できるためのルール改正、予算拡大、待遇改善などに賛同いただけるみなさんとの支援の輪を広げるための活動をつづけています。
自衛官の不遇な待遇問題などの公報やそういった問題を考えてくれる人を増やし、制度改正についての情報提供を中心に活動していますが、年に一回、衆参両院に国会請願を上げています。
今年も署名の締め切りは1月末日です。
ご賛同いただける方の署名をおまちしています。
〇請願用紙 直リンク
http://yakamochi.org/newsletter/20149mamorukai.pdf