Lover's Concerto -17ページ目

Lover's Concerto

花より男子の二次創作ブログです。
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「つくし様、あの…扶様が書斎に

来ていただきたいと」


検診から帰ってきたらお手伝いさんに 

そう言われた。 


私は類や類のご両親の名前で

呼び出されても応じないように

キツく厳命されていた。


その日、用件を伝えにきたお手伝いさんの

様子がちょっと変だと思った。 


 私は外出着から着替えるとゆっくりと

おじ様の書斎へと向かった。


(こんな平日の明るい時間におじ様が

家にいらっしゃるなんて珍しい。) 


そう思いながら何の疑問も持たずに

書斎へと足を運んだ。 


「失礼いたします」


書斎のドアに手をかけ遅くなったことを

詫びながら中に入る。


だけどおじ様の声は聞こえない。

きょろきょろと周囲を見渡せば

ソファーの脇に立つお祖母様の

姿が見て取る事が出来た。


「え…?」 


 頭の先からつま先まできちんと

整えられた身なりのお祖母様 


「あの…?」


そう問いかけたのと同時に

まさかという思いが胸の中に宿る。 


私をここに呼び出すために

おじ様の名前を騙った?


背筋がゾクッとするような

寒気を感じた。


「どうせ私の名前で呼び出しても

応じるなと言われてるだろうから

息子の名前で呼び出しました。

あなたにお話があるから

失礼を承知でお呼びしたの」


穏やかな表情でにっこりと笑った

お祖母様は笑うと類やおじ様に

とても良く似ている。 


「貴女に話があるのよ牧野つくしさん」


フルネームで自分の
名前を呼ばれ

ドキリと鼓動が跳ねる。


その声色ははっきりとしていて

真剣味を帯びていた。


にこやかに話してはいるけれど

おばあ様のお話は決して

いいことではないだろう。


何となくそう感じて少し

警戒心が沸き起こる。 

 

「私に…話ですか?」


有無を言わせない迫力に閉口する。


「ええ、貴女と類の今後のことについて

私の話を聞いてほしいのよ」


……欲しい。 

 伺いを立てるんじゃなくて

これはきっと命令なんだ。


そしておばあ様は私と類の関係を

知っているし彼が今どんな

 状況なのかもきっと把握している。


まっすぐ見つめられて告げられた

その言葉の意味を察して

肩がピクリと震える。 


 きっとおばあ様は類の現状を知って

ここまで来たのだろうと思う。


恐らく、類のご両親には内緒で。

それの意味することは恐らく

余りいい話ではないのだろうって

経験上なんとなくわかる。 


今話を聞くことを拒んでも

きっと避けては通れない道

なんだと思う。

「お話、聞かせてください」

顔を上げて真っ直ぐに

おばあ様を
見つめ告げる。 


聞きたくない、

今は何も……考えたくない。


怯える心を必死に奮い立たせながら。

何度も心の中で類の名前を呼んだ。

書斎へ温かいお茶が運ばれてきた。

私の前にはホットミルクが置かれる。


私とおばあ様は向かい合って

応接セットのソファーに座っていた。


何を話していいのか分からず

俯いてしまう。 


「唐突だけど私は貴女と類の

結婚には反対です」


面と向かってバッサリと

切り捨てられた。 


本当に唐突だった。

当たり前だよね。 


ギュッと拳を握りしめる。


「類はこの家の跡取りなの

類以外花沢の後継者はいないのよ

しかも一人っ子……

その為にも、それなりの家柄の令嬢と

結婚してもらいたいと
思っているのよ」 


そうおばあ様に告げられ私は

思ったよりも冷静だった。


心の中では分かってはいたけれど

認めたくなかったんだと思う。


私と類の住んでいる世界が

違うのだということを。 


こうしてはっきり口に出されて

ショックで呆然としてしまう。


「もし、貴女が頷いてくれたなら類には

新しい道が開けるのよ?息子や栞さんは

貴女をこの家に類の相手として

受け入れようと
しているみたいだけれども」


類は貴女のことを忘れているそうね?

そう口に出されて心が凍りつく。


「いい機会なのではなくて?」


「それはどういう意味ですか?

何を以っていい機会なのでしょうか?」


声の震えが止まらない。


ギュッと拳を握りしめて震えを

止めようと努める。


「貴女も類もまだお若いわ

今、別れて別々の道を歩んでも

差し支えないと思うの」


それは類との関係をなかったことに

しろって言いたいのだろうか?


そんなことできるわけない 。

類に拒絶され何度もこの家から

出て行こうと考えた。 


彼は私の命の恩人。


そこまで深く愛してくれた人を

忘れられたからって傍を離れる

ことができないのが現状。


実際に私のことを何も思い出せなくても

類は類であることに変わりはないと

思っている。 

やっと自分の存在を受け入れてもらえた。

忘れたなら何度でもやり直せばいい。


そう前向きに考えられるようになったのに。


「……できません、たとえ私のことが

分からなくても覚えていなくても

私は類さんのお傍にいるつもりです」


誰かに言われたからといって

それに従うつもりはない。


「息子が認めても私は認めません

類には婚約者がいるのです

貴女には類を諦めていただきます」


表情を崩さずにおばあ様はそういった。


そしておばあ様は無言で席を立つと

部屋の奥から誰かを連れてきた。


その人は女性で私にもとても

見覚えのある人だった。


かつて私がその潔い生き方に

感嘆を覚えた綺麗な憧れの女性。 


「」…静さんどうしてここに?

フランスにいらっしゃるのでは?」


ひたすらショックで声が掠れる。

藤堂静さんの登場に私は

思い切り動揺した。 


 類の婚約者が、静さん? 


「お久しぶりね、牧野さん」


掛けられた声の優しい響きは

あの頃と変わっていない。


けれどあの頃と違うのは

静さんの瞳の輝きだった。


何かを諦めたようなどこか

醒めた色をして私を見つめていた。


彼女を見た途端、心臓を

鷲掴まれるような痛みを覚える。


「類の婚約者は生まれながらに

彼女と決まっているの」 


有無を言わせない口調で

おばあ様は私を追い詰めてくる。


「もう一度言います、類との

交際も結婚も認めません!

今すぐ
別れてここを出て行きなさい」

 

もしも、赤ちゃんのことを

この人に知られたらどうなるだろうか?

不意にそのことが頭の中を過った。


 「……」嫌です、別れません」


私は突如芽生えた不安に

背を向けるように反論していた。






その時だったノックもせずに

類がおじ様とお祖父様を連れて

書斎に飛び込んできたのは。


「つくし!」


類は部屋に入ってきて真っ先に

私を抱きしめる。


「類」


「ねえ!俺は静と結婚なんてしないよ?

勝手に決めないでくれる?

俺とつくしの間にはもう子供がいるんだ!」


え?

なんで知ってるの?


「……戻ったもん、記憶」


「うそ……」


私は絶句して凍りつく。


「ねえ、婆ちゃん俺の子供からも

両親を奪うつもり?アンタが子供の

俺から母親を取り上げたようにさ……」


「それは……ッ


「俺はもう何も出来ない子供じゃない

守りたいものを護れないそんな家なんて

存続できなくてもいいよ?」


「何を言うの?貴方は!」


「とにかくつくしとじゃなくちゃ

結婚はしない、許嫁なんて要らない

そういう訳だから!」


行こうと肩を抱かれて部屋を出る。


「待ちなさい、類ッ」


お祖母様の金切り声が追いかけてくる。

それでも構わずに類は歩みを進めた。


書斎からだいぶ離れた空き部屋に

類は私を連れ込む。


ドアを閉めた瞬間、彼は私を

思いきり抱きしめた。


「ごめん、婆ちゃんが酷いこと言って

間に合ってよかった」


「うん、それより記憶……戻ったって…」


「ホントだよ?思い出した、全部」


私を見て微笑む類。


その笑顔を見た瞬間ブアッと

今までのことが甦って涙腺を

思っきり崩壊させる。


「それに覚えてるよ?最後にシたとき

もしもデキてたら産んで一緒に

育てようって言ったことも」


「ばか!」


「うん、俺は莫迦だね」


「嗤うな」


「ごめん」


「約束、守ってくれるの?」


「当たり前でしょ?」


「類、おかえり」


「うん、ただいま」


私達はそのまま抱きしめ合う。


ちょっと大きくなったお腹が邪魔して

密着できなかったけど……


しっかりとお互いの温もりは

確認できた。




類は私の手を引いて廊下を進む。

握られた手は血の気が引いて
酷くひんやりしている。

大丈夫だと手を握り返すと
力無く握り返してくれた。

返された微笑みは酷く青白くて
緊張が顔に張り付いている。

……仕方ない。

「……類、こっち向いて?
それでちょっと屈んで?」

背の高い類に私の手が届くように
言う通りに屈んでくれた。

「つくし?」

「こっち向いて?」

類を私の方に向かせる。

両頬に手を当てて抑えるとそのまま
背伸びして類の唇にキスをする。

「……緊張しないおまじない」

廊下でキスなんてして誰かに
見られてたらどうするの?とか
思いながら夢中で類にキスをする。

「つくしのばか、いきなりなにすんだよ……」

照れながら抗議してくる類。

「解けた?」

コクリと頷く類。

頬を染めて通常に戻った。

「何言われても俺が守るから」

やっと見せてくれた笑顔は
やっぱりちょっと赤かった。



二人揃って リビングに入室する。
そこにはいつもの格好とは違う
お爺様と類のご両親と初めて見る
白髪のおばあさんが既に部屋へと
揃って私達を待っていた。

そのおばあさんはやはり類の
お父さまに似た面差しをしていて
親子だなあと感じられるような
容姿だった。

「つくしちゃんよく来たね
早く座るといい」

お爺様は私の身体の事を知ってるから
早く椅子に座れと促してくれた。

でも、類が座ってないのに
座るわけに行かず黙って彼を見る。

「座りなよ」

「じゃあ……」

類が椅子を引いてくれる。

素直に腰掛ける。

私が座ったのを見て類も席に着く。

座っても類はこっそり見えないように
私と手を繋いできた。

手の震え具合から類の不安が
なんとなく透けて見える。

黙って手を握り返すと安心したように
類は微笑んだ。

「牧野さんと仰いましたね?」

「はい、牧野つくしと申します
類さんとは高校と大学の先輩後輩の
仲でして交際させていただいていて
こちらのお屋敷でお世話になっています」

丁寧な口調で自己紹介をする。

「類は貴女を庇って事故に遭ったと
聞いておりますが……?」

「それは大変申し訳ないと思っています
私の不注意で申し訳ございませんでした
命を助けて頂き大変有難く思ってます」

「ちょっと待ってよ!
なんでその事でつくしだけを責めるの?
ちょっとおかしくないですか?」

私だけのせいだとでもいいたいのだろうか?

類が私を庇って声を上げる。

「俺が彼女を庇ったのは俺の意思です
もう済んだことで彼女を断罪するのは
やめて頂きたい」

「類さん、あなたはその怪我のせいで
後継者の仕事が遅れているそうですね
女にうつつを抜かして英雄気取りですか」

酷い、この人。
私のことなら何を言われてもいい。

私を守ってくれた類にそんな
暴言吐くなんて酷すぎる!

類は何も悪くないのになんなの?
この言い草は。

心の底からムカッときた私。

拳を握りしめて懸命に言葉を耐える。

私が懸命に暴言吐きそうなのを
堪えてる時それに口を出したのは
お祖父様だった、

「静枝さん、やめないか
また君は17年前と同じ過ちを
繰り返す気かね?」

グッと言葉につまるお祖母様。

「類が可愛いならそう言えばいい
孫なんだから可愛がってもバチは
当たりはせんよ」

「お母さん、類は彼女のおかげで
人間らしくなりました
感情も豊かでよく笑います
人を愛して成長できました
どうかつくしちゃんのことを
認めてください」

お父様とお祖父様の援護射撃に
胸が一杯になる。

「でも、類さんは彼女の記憶が
無いそうじゃありませんか」

それならば傷の浅いうちに別れては?

続く言葉に呆然としてみんな黙り込む。

「俺は!つくしの記憶があってもなくても
彼女枚外を結婚相手に選んだりしないよ!
結婚相手くらい自分で決める!」

「貴方には、生まれた時から決まってる
婚約者がいると言っても?」

私も類も言葉を失った。

類には生まれながらの
婚約者がいる?

そんなの初耳だ。

もしもそうなら類のご両親は
私と類の婚約を認めなかっただろう。

「知らないよ!そんなこと!
俺の婚約者はつくし1人だけだ!
今さら他の人なんて要らないよ!」

行こう!と言って類は席を立つ。

私の手を引いて部屋から飛び出した。




「類!待って!走っちゃダメっ!」

案の定、部屋に戻る途中の廊下で
類は見事にすっ転んだ。

「……大丈夫?」

「うん」

類の身体を助け起こす。

「走っちゃダメって言ったじゃない?
怪我酷くなったらどうするの?」

「だから会うの嫌だったんだ
あの人はいつも俺を否定する
つくしのこともあんなに酷く言って!」

嘆く類を黙って抱きしめる。

「私、嬉しかったよ?お祖父様も
お父様も私のこと認めてくれて」

今日、お母様が途中で退席したのは
このことがあるから?

もしかしたらお母様はあの話の席に
同席させて貰えなかったのでは?

だってこの家に事故後強行に
同居を決めたのはお母様だもの。

もしかしてその事で一方的に
叱責されてたのでは?

あの話し合いの後から
姿の見えないお母様が気になる。

「類、私は……何があっても類に
着いてくから、別れないよ、絶対!
私と結婚するんでしょ?」

「うん」

精一杯に笑顔を作って笑ってみせる。

私はこの時、嫌な予感がしていた。

こういう時の勘は十中八九当たるもの。

類に、おば様に何も無いと
良いんだけど?

どうか何も起きませんように。



最近ハマってること。

デイサービスでのハンドメイド。


ピルケースをシールやレジンで

デコっております。


ワタクシ、実は障害者でして

病気で片足を切断しておりまして

車椅子で生活しています。


週1回、デイサービスに通っております。


そちらでの作業療法になります。



デイサービスで創ったもの


特に作り方とかは説明がなく

見本の写真を見て見様見真似で

作りました。


きょうは何を作ろうかな?