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Lover's Concerto

花より男子の二次創作ブログです。
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美作さんが単身うちに来た。

どうしたんだろう?

心做しか表情が暗い。

とりあえず彼を家の中に招き入れると
勉強するのに部屋に籠っていた
類をリビングに呼ぶ。

私はお茶を入れにキッチンへと向かう。

「牧野、無理しなくていいから
そこに座ってジッとしてろ」

美作さんはそう言って私を座らせる。

「どうしたの、あきら
こんな時間に珍しいな」

「……ああ」

「頼まれてて事だけど」

美作さんがそう口にすると
類の顔が引き締まる。

「彼女、親父さんのことでフランスから
家に連れ戻されたらしいぞ?
彼女の許嫁にお前が選定されたのは
堂家がお前の婆さんに援助を
依頼したからだ。」

私はつい息を呑んだ。

思わぬ所での政略結婚の事実に
口元を抑える。

もし助けなかったら静さんのご実家は
どうなってしまうのだろう?

「司のところでもその話題は
上がってるそうだ、どうにかして
やりたいって……」

類はしばらく考え込んでいた。

「でも司は援助するのは良いけど
幼なじみと政略結婚は
嫌だって突っぱねたらしい。」

「道明寺が断って類も婚約間近と
なるといよいよヤバいな」

「あきらのとこは?」

「ウチはお袋が大反対で……
ウチの両親恋愛結婚だから
そんなのとんでもないって」

「お前のところは特殊だろう」

「まぁな」

もし私が類と恋仲じゃなかったら
静さんと付き合ってたのだろうか?

これ以上聞いてられなくて
部屋に引っ込む。

幼なじみを助けたいのに
助けてあげられないジレンマ。

それはどんなに苦しいだろう。

類は私を選んでくれたのだから
自信持ってその手を握り返せばいいのに。

今…私は、迷っている。

部屋着に着替えてベットに潜り込む。

目を瞑ってお布団を頭から被ると
視界が遮断されて落ち着く。
そのまますうっと寝入ってしまった。






背中に温もりを禁じて目を覚ます。

ベッドにやってきた類が
私の身体を後ろから抱きしめて
包み込んでくれていた。

「……類?」

「起こした?ごめん」

「ううん」

黙って首を振る。

「アンタさ……変なこと考えてるでしょ?」

「考えてないもん」

「じゃ、こっち見て」

視線を逸らす私を類は覗き込む。

真正面から視線がかち合う。

視線が合わさった瞬間
噛み付くようなキスをされる。

奪うような激しいキスをされて
息が上がる。

「ん!は……あっ!」

口の中に類の舌が入ってくる。
唇をこじ開け強引に舌を引き摺り
出されて貪られる。

「や、苦し……ッ」

抗うけど強く抑えつけられて
抵抗ができない。

唇が離されると銀の糸が
二人の間を繋ぐ。

「馬鹿なこと考えたら許さないから」

類はそう宣言すると私の身体に触れた。



急遽、結婚式を挙げることになって

私達の周りは慌ただしくなった。


おじ様の許可が降りて私の

大学卒業後に挙げる予定だった

結婚式が私の懐妊によって

早まることになったから。


お祖母様達の渡仏後

類のご両親が揃って私達に

逢いに来た。


おじ様の書斎での真剣な話し合い。


書斎に私と類、ご両親が揃う。


「つくしちゃん、この度は母が…… 

失礼なことを言って本当に

申し訳なかった」


おじ様がこの通りだと頭を下げてきた。


「頭を上げてください、私なんかに

簡単に頭を下げてはいけません」


苦笑に近い笑みを浮かべたおじ様に

謝罪されて慌てて席を立つ。


「私なんかって言うなよ」


類に睨まれて怒られる。


「ごめん……でも私こそ頭ごなしに

認めない許さないといわれて

しまったのでついカッとして。

浅慮でした…申し訳ありません」 


私も失礼だった態度を謝罪した。


「いや、気持ちはわかるよ……

実は私達も結婚するとき大変だった

栞は半分イギリス人でね」


そう言って昔話を始める。


おじ様のおば様を見る目は

とても優しい。 


「それも王家の流れを汲む

階級の貴族の家系なんだ」


身分違いの恋……

そんな言葉が脳裏に浮かんだ。


おば様はおじ様の話を

肯定するように黙って頷いた。 


 「私の英国への留学中に…

同じ大学に通う同級生として

出会った彼女に恋をした」


頬を染めておば様は頷いた。


「母は生粋の日本人との婚姻を

強く望んでね……栞との交際も

大反対して無理やり私は日本に

連れ戻された …私も1人息子だったからね

でも私は諦めることなく母の目を

盗んで逃亡して彼女を迎えに行った」 


「扶さんはすべてを捨てて

私のことを選んでくれたの」


ときどき視線を交わして微笑み合う

お二人には互いの深い愛情が

滲み出ていた気がする。 


「そして類が生まれて…跡取りを

生んだことで彼女は母に認められた

しかし生まれた子は虚弱を絵に

描いたような子で少しのことで

発熱する、寝込む…引っ込み思案で

気難しくて人見知りはする

厳しく当たる母には懐かない」


おじ様はやや苦笑しながらそういった。


「あと、聞いたと思うが栞は

プロのバイオリニストだった

結婚と同時にうちの母に引退させられた

当時は女性は結婚したら相手の

家庭に入るのが当たり前の

風潮だったたから彼女も例に漏れ 

仕事を取り上げられたよ」


おば様の表情から笑顔が消えて

寂しげに曇った。


「俺、つくしにそんなこと強要しないよ!

彼女から笑顔が消えるの嫌だもん」


「ああ、是非そうしてくれ

お前がつくしちゃんを全力で守ってやれ」


力強く宣言した類におじ様は

優しく微笑み頷いた。


「私達は同じ過ちを繰り返したくないの…

貴女と類の子供であるお腹の子には

辛い思いをさせたくないと思っています」


だから…

おば様は涙声になり言葉を

詰まらせている。 


「私達が見守るから2人には

幸せになって欲しいの」


「子供も授かったことだし

きちんと籍を入れてつくしさんを

妻として迎え入れなさい」


「お父さん、ありがとうございます」


私も類と一緒に頭を下げる。


「つくし、そういう訳だから

もう腹括ってお嫁に来なよ」


「……何よぅ、それ…プロポーズのつもり?」


プクリと膨れっ面をしてみせる。


そんな顔をした私を親子3人は

そっくりな顔して笑う。


「返事は?」


促されて私は強く頷く。


「私で良かったら類のお嫁さんに

……して下さい」


こうして私達は結婚式の準備に

取り掛かったのだった。




結婚指輪をオーダーして

宝石店から帰ってきた。


私は派手さはなくてもいいから

シンプルなものがいいと言うと

類はその希望通りにオーダーしてくれた。


部屋に帰ってきていつものように

お風呂に入ってパジャマでベッドに

2人して潜り込むと私は思ってたことを

ストレートに聞いてみた。


「そう言えば類はなんで私がその……

妊娠してるの知ったの?」


不思議に思って聞いてみた。


「アンタ、母子手帳を机に出しっ放しに

してただろ?それたまたま見ちゃって」


思い当たることあったし。


キスはするのにそれ以上を

しないとかね?

ちょっとふっくらしてきたなあとか?


類がニヤッと笑って顔が熱くなる。


「もう!ばかっ!」


急に恥ずかしくなって顔を逸らす。


「でも、これくらいの方が俺は

抱き心地良くて好き」


背中から抱きしめて少し膨らんだ

お腹に類は触れる。


「だって赤ちゃんも抱きしめてる

感じするもん」


類にお腹を撫でられると

ポコッと赤ちゃんに蹴られた。


「……返事した?」


「……かも、パパに撫でられたの

分かるんだねぇ?」


顔を見合わせて微笑い合う。


そんな些細な幸せに泣きそうになった。


また類は私のお腹に挨拶のキスをして

お布団に潜り込んだ。



※会話多めにつき読みづらいかも






久々にF3に会った。

類の記憶が戻ったことを
報告するためだった。

私達は花沢邸を出てあのマンションで
2人で暮らし始めた。

ひと足早く新婚生活を始めた。

その部屋に彼らを呼んでの集まり。

みんな忙しいのに来てくれた。

「類!」

「記憶戻ったって?」

「うん」

あれからお祖母様はフランスへ
帰っていった。

お祖父様もご一緒に。

……というか無理やりお祖母様を
引き摺って行った感じだったけど。

「元気な子を産むんじゃぞ?」

励ましと元気な笑顔を残して
フランスへと帰って行った。

邪魔をしないように遠ざけたというか。

「ありがとうございます、お祖父様
必ず元気な子を産みます」

そう約束してお別れした。

それにしても。

あれから静さんはどうしたのか
気になる。

呼びつけられたのに類本人に
ソデにされてその後どうなったのだろう?

「はあ?静を婚約者として連れてきた?」

「今、藤堂家がどうなってるかわかる?
家を出た娘を呼び戻して政略結婚なんて
ただことじゃないでしょ?」

「それな、司んとこと同じで親父さんの
体調があまり良くないらしい」

「お前それ受けることなんてねーよな?」

「ないよ、俺ら子供出来たもん 」

「「は?」」

「だから!俺とつくしの子」

「……俺は知ってたぞ?」

司がニヤリと微笑う。

「ひでえよな、お前が思い出したから
良いけど下手すりゃ子供の存在
類は知らなかったかもしれないんだぜ?」

「なんでわかった?」

「……母子手帳、俺に見つかんないように
アイツ隠してた……それに俺より先に
母親が知ってた」

「内緒で産むつもりだったのかアイツ?」

「たぶんさ、子供のこと俺に先に
伝えたかったんだと思うよ?」

可愛いとこあるよねと類が惚気ける。

「ちょっと類、恥ずかしいこと
言わないでよね!」

……実際、その通りだから怒るに
怒れないんだけど。

私も静さんのことは気になるから
コッソリ耳を済まして聴いていた。

「で、コレ、みんなに渡しとくね」

類は封書を3通取り出してF3に渡した。

「ちょっと予定前倒しになるけど
ちゃんと式挙げるから」

結婚式の招待状を3人に渡した。

「あとこれ滋さんと桜子に……」

追加で2通、3人に招待状を渡した。

「優紀には自分で渡しに行くね?」

「気をつけてね?」

「うん」

「学生結婚するのか?」

「そうなるね」

「私はリモートのまま卒業までいるつもり」

「そういう理由でお前来なかったのか」

「お母様がそう手配して下さったの
自宅学習なら身体に無理なく
自分のペースでできるから楽だよ?」

「……良くしてもらってんだな
安心した」

「うん」

ちょっぴり照れてしまう。

「知らないんだけど、いつの間に
そんな仲良くなってんの?」

「お医者様の話、今は違うけど
いずれは娘になる子だからって
一緒に聞いてくれたの」

その時のことを思い出して
照れ臭くなる。

「お前、母親にヤキモチ妬くなよ」

類は揶揄われて機嫌が急降下する。

「でもちゃんと牧野の口から報告
聞いたんだろ?ならいいじゃん」

「……まぁね」

鼻の下伸びてるような類にみんな
呆れた顔をする。

「……分かりやすいな、類」

「鼻の下伸びてんぞ」

「デロデロだな」

F3に口々に突っ込まれ私まで恥ずかしい。

そこまで装甲崩すか?

「それより、静の家のこと…調査頼んだよ」

「気になるのか?」

「一応、ガキの頃からの幼なじみじゃん
放っては置けないよ」

「成長しましたねぇ、類くん
あんなに静の後着いてたのに」

「……昔のことだろ!」

類が赤くなって怒鳴る。
そうだよね、放っておけないよね。

類はそういう人だ。

だから好きになったんだけど。
本人には秘密にしておこう







 「アイツらの相手して疲れた?」

「うーん少しだけ、でも楽しかった!」

寝る準備をして2人でベッドに潜り込む。

類の記憶が戻る前から一緒に
寝てたけどやっぱり記憶のある類と
寝れるのは嬉しい、な。

「どうした?」

無言で腕に頬を擦り寄せると
類は私の顔を覗き込む。

「へへッ 類だなって思って」

「なにそれ」

手を合わせて握り合う。

その時、強くお腹を蹴られた。

「あっ!」

「どうしたの?お腹痛い?」

「違うの、今、赤ちゃんが動いて……」

そういうと類は私のお腹を触る。

「ホントだ、蹴ってるね

ポコポコと蹴られてるのを2人で
同時に感じる。

「元気な子だね」

「うん、あっ!また、動いた」

お腹が大きく畝る。

「今度は、あばれてるんじゃない?」

「そうかも」

2人で顔を見合わせて吹き出す。

元気な子ならどんな子が私たちの
元に生まれてきてくれてもいい。

「早く、出ておいで?」

類はそういうと私のお腹に
そっとキスをした。