待ちわびていたルアーが到着しました
BLCC製作のBLトンボジョイント85
3Dプリンタ版の初回限定バージョン
今年の7月に東京・町田でBLCCという
ハンドメイドのバスルアー中心だった
小さな釣り道具屋が惜しまれつつも
25年の歴史に幕を閉じました
店主はバス歴が60年ちかい黒沢幸男氏
(月刊フィッシィング誌 81年7月号)
まだ日本でバスが神奈川県内など
かなり限られた湖でしか釣れなかった頃
唯一の情報源であった釣り月刊誌で
特に津久井湖や相模湖を中心に紹介
私も当時その記事のポイント図をコピーして
それを持参し確認しながら津久井湖などで
手漕ぎボートを漕いだ思い出があります
その後いくつかの偶然が重なり
釣り仲間となってすでに40年以上
本当にブラックバスが大好きで
商売を意識した見栄えを一切考えず
浮力と強度に徹底してこだわり抜いた
硬い木材とバルサを合体させる
手の込んだハンドメイドルアーを製作
特にビッグバドの威力に気がつき
世間での一大ブーム以前から使い込み
多くの常連さんたちとともに完成させた
トップウオータープラグの名作である
T-バドの生みの親でもあります
それ以外にもいくつもの名作がありますが
特にここ数年にわたり注力していたのが
見た目はトンボでありながらも
水面でもがくミノーを演出するという
BLトンボというシリーズでした
そのあまりの威力に量産は出来ないかと
長期間のテストの末に行きついたのが
3Dプリンタを使ったプラバージョン
そして完成まであとわずかというところで
店内で脳梗塞により倒れてしまいました
現在はリハビリ中ということで
店舗の営業継続は困難となり
今回の閉店となってしまった次第で
通常であればこれで終了という話ですが
話はそこで終わりませんでした
BLCC開店以前からの仲間でもある
多くの古参常連さんたちによって
なんとか氏の意思を引き継ぐ形で
このルアーを発売できないものかと
大変なご尽力いただきました
塗装はレイチューンの小畑氏に依頼
そして今回の発売までこぎつけ
完成したらぜひ現在は北海道にいる私にも
送ってやってくれという黒沢氏の言葉で
初回バージョンをいただくことに
まさに黒沢氏とBLCCを愛してくれた
本人とその仲間の方たちによる
商売を越えての魂のルアーであり
私もなんとかイトウの釣果報告が
できればと思っています
今後はさらに強度をアップしたという
セカンドバージョンも販売予定とのこと
その利益は氏の治療費になるとのことで
最大限の協力をさせてもらう所存です
ぜひ病状が早く回復して
もう数十年に渡り変わらなかった
バス釣りの魅力と思い出話をしながら
穏やかな顔でバルサを削る
黒沢氏の姿をまた見たいと願っています