製作:ローレンス・ゴードン/ロイド・レヴィン/デボラ・スナイダー
製作総指揮:ハーバート・W・ゲインズ/トーマス・タル
脚本:デヴィッド・ヘイター/アレックス・ツェー
撮影:ラリー・フォン
視覚効果スーパーバイザー:ジョン・“DJ”・デジャルダン
プロダクションデザイン:アレックス・マクダウェル
衣装デザイン:マイケル・ウィルキンソン
編集:ウィリアム・ホイ
音楽:タイラー・ベイツ
出演:マリン・アッカーマン/ビリー・クラダップ/マシュー・グード/カーラ・グギーノ/ジャッキー・アール・ヘイリー/ジェフリー・ディーン・モーガン/パトリック・ウィルソン/スティーヴン・マクハティ他
80年代後半に発表された人気グラフィック・ノベルの実写映画化。歴史的事件の陰で<監視者=ウォッチメン>として活動していた彼らが何者かに命を狙われていくという謎を描き出す。

評価★★★☆☆
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[STORY]
かつて、“ウォッチメン”と呼ばれる者たちは、<監視者>となって人々を見守り続けてきた。だが1977年、政府の施行したキーン条例によりその活動を禁止され、ある者は一線を退き、ある者は密かに活動を続けていくことに。1985年、ソ連との核戦争に陥りかねない緊張状態のアメリカ。10月、ニューヨークの高層マンションからブレイクという名の男が突き落とされ殺された。彼はかつて“コメディアン”として活躍していたウォッチメンの1人だった。現場に現われたロールシャッハは、陰謀の臭いを嗅ぎとり、かつての仲間たちの周辺を独自に調べ始める。
[IMPRESSION]ネタバレ注意!
正直、ビミョー。
公開当時から見たくて見たくて仕方なかった作品なのに、
イイ意味でも悪い意味でも期待を大きく裏切った作品。
単純なヒーローものではなく、想像以上にシリアスな作品でした。
ウォッチメンは、6人で構成されている。
1940年代頃から活躍したミニットメンと呼ばれるコスチュームを着た初めてのスーパーヒーローチームの後継者たち。
1、ナイトオウル2世として活躍したダニエル、フツーのサラリーマン風。
2、ミニットメンのメンバー・サリーの後を継ぎ2代目シルクスペクターとなった娘ローリー。

3、汚いトレンチコートに身を包む顔のない異端児的存在ロールシャッハ。

4、自由奔放に暴力を行使し、世間の悪者になる事を楽しむコメディアン。

5、オジマンディアスとして活躍した大企業ヴェイト社の社長エイドリアン。

6、核実験の事故により超人間になった科学者Dr.マンハッタンこと青ハゲのジョン。

Dr.マンハッタンとローリーは恋人同士だが、ローリーとダニエルは惹かれあっている。
ローリーの母サリーは、ミニットメンの元メンバーだったことから、同世代のコメディアンと一夜だけの過ちが・・・。
異端児ロールシャッハは、悪党のように見えるが、正当な正義を下し続けているのは彼だけかも?
Dr.マンハッタンを含め、この6人の過去からの人間関係や時代背景が、2時間42分中の2時間くらいで語られ、テンポの悪さはいなめない・・・。
この間は非常に退屈に思えたのは事実。
現実世界では、ソ連とアメリカの戦争が今にも勃発するかという状況で、
コメディアンが何者かに殺され、
核心に迫るロールシャッハは、犯人の罠にかかり投獄されてしまう。
ロールシャッハの忠告が気になったローリーとダニエルは、
キーン条約を破り、再びウォッチメンとして姿を現し、ロールシャッハも救出する。
大金持ちのエイドリアンは、Dr.マンハッタンの力を借り、彼と協力して戦争勃発を食い止めようとしている。
しかし目的はみな同じでも、方法が違った。
「神」の域に達してしまったDr.マンハッタンは、巨大化もできるし、テレポートもできるし、人間を一瞬で木っ端微塵にもできる全能な存在。
エイドリアンは、「ソ連VSアメリカ」の核戦争回避するため、
そのDr.マンハッタンの力を利用し、世界の主要都市を攻撃。
両国が結束しないと世界が滅びるぞー!
と仕向ける。
まんまと世界は、Dr.マンハッタンの攻撃と誤解。
しかし、核戦争を回避するにはそう思わせておいたほうがイイ。
Dr.マンハッタンもエイドリアンの理屈を理解し、地球を離れることを決意。
しかーーーし、
正義感の強いロールシャッハ。
「そんなんあかーーーん!オレは公表する!」
するとDr.マンハッタンはロールシャッハを木っ端微塵に・・・。
アレはないわ。
映画的に。
何だかんだで一番正義を貫き通したロールシャッハを殺すなんて・・・。
非常に後味悪いエンディングでした。
この作品が訴えかけるものが、曖昧でよく分からない。
ただ、非常に難しい作品。
単なるヒーローものではないのは間違いない。