ボランティアのみほです。
先週末、夜のハウスに生まれて間もない乳飲み子を見つけたからと、さばいでぃで保護して欲しいと5匹の赤ちゃんが持ち込まれました。
連れて来られた子猫達は、まだ生後1週間から10日程といったところでした。
ハウス当番だったゆかちゃんから、仕事中のこぼりに連絡が入り、こぼりから応援要請が届き、急ぎハウスへ向かったところ、ダンボールに入れられた5匹の赤ちゃんたちは、本来であれば2~3時間置きの哺乳としっかりとした保温がなければ生きていけない乳飲み子にも関わらず、その小さな身体は冷えており、朝に保護されてからさばいでぃへ連れてこられる夜まで、哺乳も保温もされていなかった事が分かりました。
赤ちゃんがハウスに持ち込まれてすぐに、まみさんから連絡を受けていたゆかさんとみほこさんが湯たんぽを用意してくれており、すぐにセットをして私とあいかちゃんで哺乳を開始しました。
丸一日ミルクを飲めていなかった子猫達のお腹は痩せてしまっており、冷えた身体はなかなかミルクを受け付けようとはしてくれませんでした。
それでも何とか生きて欲しいと思いながら、細心の注意を払いながら、小さな5匹の子猫たちにシリンジ(注射器)で哺乳をしていました。
前述の通り、乳飲み子は2~3時間置きの哺乳が必要です。
さばいでぃの保護ハウスのお世話すら人手不足でままならない中、更に手のかかる乳飲み子を保育してあげられる余裕は、誰にもありません。
かといって、母猫から無理やり離された子猫たちは、人の手がないと生きていく事はできません。
突然連れ去られた我が子を探して、お乳の張った母猫が探しているかもしれないと、保護主さんが子猫を連れ出した現場へこぼりが何度も母猫を探しに向かいましたが、残念ながら母猫には会えず…。
こぼりは3日は諦めないと毎日早朝や夜中に現地に赴き母猫を探しましたが、最終日の日曜日、さばいでぃのグループLINEに
『赤ちゃんの母猫捜索は終了。
人口保育でいく。
近くで痩せた母キツネが子ギツネを育てていました』
とキツネ親子の写真が送られてきました。
常々、子猫は母猫が育てるもの、人間が保護したつもりになって勝手に連れ去っては行けないと、保護をしてハウスに連れて来る方に話をするこぼりが、どんな気持ちでキツネの親子の写真を送って来たか私たちには分かりました。
赤ちゃん保育は簡単な事ではありません。
たくさんの赤ちゃんを保護する私たちでも多頭の赤ちゃんを全部生かせることが難しい事もあります。
生後1ヶ月の子猫と、生後1週間の赤ちゃんでは哺乳や保育の難易度は雲泥の差があります。
子猫を育てた事があるからと赤ちゃんを育てられると思い、安易に母猫から引き離してしまう『勘違い保護』をする方はよくいらっしゃいますが、母猫に勝る子育てはありません。
今回の赤ちゃんたちも、猫を飼った事がない方が保護し、猫を飼ってるご友人にミルクを与えてもらったそうですが、数滴口に入れられただけだったそうで、それでミルクを少し与えたと思っていたそうです。
つまり、猫を飼っていても、赤ちゃんの哺乳を出来るかというのは別問題なのです。
赤ちゃんを保護してしまったなら、きちんと、2〜3時間毎の確実な哺乳の体制と保温が出来る状況を早急に整えるか、それが出来る方を探して下さい。
今回の赤ちゃんたちは、日が経って母猫も人の匂いの着いた子猫を自分の子と認識できなくなってしまい、戻しても育てなくなってしまうので、さばいでぃの夜当番をメインで入ってくれているあいかちゃんが、赤ちゃんたちの面倒を見てくれることになりました

あいかちゃんが連れ帰ってくれたその日の夜、1匹、また1匹と弱ってしまっていた子猫は亡くなってしまったそうです。
お母さんから離れなければ、生きられていたかもしれないのに。
例え亡くなってしまったとしても、お母さんの温もりの中で逝けたかもしれないのに、と子猫の悲報を受けた私は、悔しさで胸がいっぱいになってしまいました。
助けてあげられなくて、ごめんなさい。
残りの3匹には何とか元気に生きて欲しい。
亡くなった2匹は、日曜日にこぼりがお庭にお墓を作り、亡くなった赤ちゃんたちが眠る場所に埋葬しました。
生き残った子たちは、時期が来たら里親募集をしますので、子猫をご検討されてる方は是非よろしくお願い致します。