訳詞図書館/エピソード編⑦⑧⑨ | カフェ・コンセール・エルムのブログ

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名古屋市千種区吹上にあるシャンソニエ『cafe concert ELM』のスタッフブログです。
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訳詞図書館/エピソード編第三弾(^_-)-☆

ブログ読者の方から嬉しいお声を頂き、嬉しい限り♪

今日は⑦~⑨までの6曲についてご紹介します♪

 

 

◆「太陽の誘惑」

SACEM会長も務めたClaude Lemesleとスター歌手Michel Fugainによる作品。パリのFNACで大々的にPRされている様子を見て、フランスでの人気を改めて知った。

注目すべきは「愛のコリーダ」の表現。大島渚監督の日仏合作映画「愛のコリーダ」は藤竜也と松田英子が主演し、鬼才で名古屋とも縁深い若松孝二が制作に携わった。la corrida des corazonesを「愛のコリーダ」とすることで、若さゆえに燃え上がる男女の愛の歌のイメージを捉えられる一節となっている。

 

◆「不滅のアーティスト」

Annavourが当時スイスに開いた口座で課税逃れと言われたことにインスパイアされた作品。その対象は「評論家」と言い換えられている。「ネタ探しをするマスメディア」それは「夢も理性も、そして信念ですら放棄する」と暗示。

「無責任に記述出来ても、ステージにのぼれるのはアーティストだけだ」「時間の経過と共に噂話も記憶から薄れて行く」とどのつまり、En fin de compte, seul le public a raison=大衆だけが正しいのだとする、奥深いシャルルの名唱と共に、後世に残るものであろう。

 

◆「ブラボー!ムッシュ・ル・モンド」

言わずと知れた愛知万博の”グローバル・イメージソング”として、今も歌われ続けている曲。当初、青山桂子によって創唱された訳詞が万博反対派の歌とも受けとられかねない為、一部訳詞を変えておだやかな詞となった。日本公演でJacqueline Dannoは「メルシー(ありがとう)」を言える事がこの曲の最大の魅力だと語った。

 

◆「燃える想い=愛の日々」

若さゆえに悔いの残る過去への追憶をCharles Aznavourが切々と歌う作詞作曲作品。「心で燃え上がる…愛の歴史」「面影は…色褪せないで」その“かりそめの愛”の場所は浜辺、そして初めて訪れた行きずりの町々。

「時の亡骸」が灰になって消えることなく残されたという表現は哲学的でさすがシャルル!それゆえ愛は「抜け殻」となり消すことが出来ない…単なる愛の歌と思うことなかれ!

 

◆「忘れ得ぬ面影」

Michel Jourdanの詞にCharles Aznavourが作曲した、歌手Marie Lazaroの為の作品。パリで2人に面会した際、「これは不倫ソングなんだ」とミッシェルが意味ありげに笑って言うと、傍でマリーがニコっと目くばせのウインク。「仲のよろしいことですね」とは私の心の声。

SACEM功労賞受賞式での一枚。Michel Jourdan、Marie Lazaro

と共に。Aznavourはコンサートの為参加出来なかったが、Michel Fugainと4人で撮影した思い出の一枚。

 

◆「歓びに包まれて」

Georges Chatelainの曲に私が詞をつけたもの。2008年フランス公演(トリアノン劇場)の際、終演後にロビーで声をかけて来たのがジョルジュでした。「愛し児へ」と共に同曲に日本語詞をつけて日本人歌手に歌って欲しい!と資料や音源をその場で手渡され……危うく帰国前に紛失するところでした。歌手の1人がしっかり保管してくれていて感謝!日本語詞をつけたところ、彼が自身の仏詞と共に作品届をSACEMに提出した為、私が「訳詞者」となった次第。