エルム・スタッフのアヤネです★
今日は、訳詞図書館④~⑥までの6曲
加藤修滋さんのあれこれエピソード&解説をお届けします(^O^)/
◆「アンコール」
Claude LemesleとMichel Fugainの作品。
愛知万博コンピレーション・アルバム「Love The Earth」に優秀曲としてノミネートされるも惜しくも選外。すると博覧会協会の坂本氏がひと言「電通」に言って下さり、翌日に急遽、追加収録が決定されたという思い出深い曲。この曲のお陰で日本語と英語しかなかったコンピレーション・アルバムにフランス語が加わり、B.I.E総会でフランスの株が上がったとの話あり。
その時、B.I.E総会で成果報告をしていたのは駐フランス・レバノン大使のレナ・ラウイ氏。万博期間中にVIPとして来日した彼女がエルムへ来てくれた事に感謝を述べると「あら、当然よ。あなた達はそれだけの事をして来たのですからネ」と・・・。
早逝が悔やまれます。
◆「シャルルを讃えて」
フランスの中堅歌手Lynda Lemayが客席にCharles Aznavourを迎えて歌ったオリジナル作品。Charles亡き後に聞くと、あたかも彼の逝去を予言したかの様に思えてしまう。
歌詞に出て来る「聞くに堪えない歌、どなり散らすだけ」の描写は、当時既にアメリカかぶれしたロック・シンガーへの皮肉も込められ「シャンソン・フランセーズ・ヴァリエテ」の美しさを訴えている。ちなみに彼女はCharlesの事務所に所属している。
◆「愛しのジョジョ」
Didier Barbelivien作詞/Francois Bernheim作曲のもので、このコンビはPatricia Kaas等に多くのヒット曲を提供。
時に二人は詞・曲を互いに入れ替わっていたりする。それはお互いがシンガー・ソングライターであるから。
フランスのシャンソンに出て来る娼婦は、すべからく心は純粋。
人殺しや悪事を働く娼婦はこの世にいないと言う前提。
そこには「神の前に人は皆平等」の思想有。
日本で言えば念仏を唱えれば極楽浄土へと同様。その意味では哲学的とも言える作品。
◆「誇り高き人生の灯」
数あるSerge Lama作品の中でも最も私小説的な描写。
歌詞の第4節「戦いに出かけたまま、帰ってこない」は、ちょうど今の紛争に巻き込まれる兵士に重なるものを感じてしまう。
また歌詞「彼女に与えられたランプ」は、もちろんローソクのランタンで、間違っても「LED」では表現できない。
作者から「法定訳詞として許可しよう。でも、”祖母に捧ぐ”のサブタイトルを外して欲しい」との言葉でハッと我に帰った。
◆「愛の響き~人生はアズナヴールの歌と共に~」
人気作詞・作曲・訳詞家であるMichel JourdanがパートナーのMarie Lazaroに創唱させたCharles Aznavour讃歌。
ここではCharlesの作品「青春と言う宝」をあえて詞に加え、実に青春の「光と影」の存在を示唆すると言う点、いつもの常に明解な庶民受けをするMichelの作風とは一線を画す。
私がこの歌の法定訳詞を認めてもらう為にMichelと面会の際、彼が通訳と言い争いに。困惑する私に対し、隣に居たMarieがこちらを向いてウインク。「後で私から良い具合に言っておくわ」
その通り、翌日には即「法定訳詞」が認められた。
◆「青春という宝」
Charles Aznavour「青春三部作」で本人が最も大切にしていた楽曲。何気なくタイトルを見ると「青春讃歌」と思い違いしそうだが、実は二度と青春は戻らないと言う後悔そして回顧の歌でもある。私にとってはCharlesと直接会う契機となった大変思い出深い曲。