Cafe Shelly next第52話 輝きたい その6 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「ん?」

 

 輝から見せられたデータには、素顔を隠して動画配信を行っている人の数と、ネットニュースなどで取り上げられている話題の数のグラフが示されていた。これを見ると、意外と世間を騒がせているニュースの出どころがこの動画配信者からであることがわかる。

 

「もちろん、自分の正体を明かして動画配信をする人もいるけれど、その場合こんな危険性もあるんだ」

 

 次に見せたデーターは、ネットの炎上記事の数の増加と、そこに占めるバーチャル配信者の割合を示したもの。明らかにバーチャル配信者のほうが炎上記事になっていることが少ないのが分かる。

 

「ボクが配信しようとしている内容は、ある意味オカルト的な要素も含んでいる。だからこそ、素顔はさらせないというのもあるし、小学生がこんなことを言ってもだれも聞いてくれないということもあると思うんだ。けれど、世の中に警告しないとやばいことになる」

 

 真剣な目をして語る輝。その勢いに両親はのまれていた。

 

「輝、お前の言いたいことはわかった。だが、学校に行かないというのとは意味が違うだろう。きちんと学校に行きながらだったら、まだお父さんは許せるんだが」

 

 公彦も輝の意見にだいぶ妥協し始めていた。

 

〜おしらせ〜
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