「お待たせしました、シェリー・ブレンドです」
ほどなくして俺の目の前にはシェリー・ブレンドのカップが置かれた。
「さて、どんな味がするのかな」
期待を込めて俺はカップを手にする。そしてコーヒーの香りを楽しむ。うん、なんだか心が落ち着くな。そしておもむろにカップに口をつける。美味しい。これがまず頭に浮かんだ言葉だ。
こんな美味しいひとときをこれからも大切にしたい。みっちょと、そしてこれから訪れるであろう俺たちの子どもたちと。そう、家族としての時間を大切に生きていく。
それだけではない、俺を取り巻く人達とも一緒になってこの優雅な時間を過ごしていきたい。このとき、ふとみどりの顔が浮かんだ。みどりとのわだかまりが消え、信頼できる友人として側にいてくれる。彼女とは恋愛の意識はもうない。いや、みっちょのほうがむしろみどりに積極的に接している。まるで親友かのように。
そんな光景が頭の中で繰り広げられていた。そうか、これが俺の理想とする未来なのか。
「お味はいかがでしたか?」
マスターの言葉でハッと我に返った。そうだった、今はカフェ・シェリーにいるんだった。
「未来が見えました。俺とみっちょと、そしてみどりの」