言われるがままにカウンター席に座る。こういった喫茶店なんて初めて来たから落ち着かないな。
「じゃぁ、マスター、シェリー・ブレンドを二つお願いします」
「かしこまりました」
マスターはコーヒーを淹れる準備を始める。ボクはこういったのも初めて見るので、興味深くじっと見つめていた。
「カズは喫茶店なんて初めてかな?」
「う、うん。そもそもコーヒーなんて飲まないし。それに外で何かを食べたり飲んだりするのって小学生以来かな」
「そっか、ずっと家にいたからね」
「まぁ、コンビニとかは出かけるけど。そもそも外で人と会って話をするのもいつ以来だろう」
「そうだよね。でもどうかな、こうやって私と話をするのって」
「ゆうちゃんとはボイスチャットで会話しているから、そんなに違和感ないかな。でも、こんな素敵な女性だとは思わなかった」
「おっ、なかなか言うじゃない。素直にうれしいよ」
ゆうちゃん、ボクから見ればとても素敵な大人の女性に見える。髪は長いけれど、ボーイッシュな感じがとても似合う。
「カズくんはずっと家にいるんだね」
店員さんが横から声をかけてきてくれた。
「あ、はい。いわゆる引きこもりです。でも、今日はゆうちゃんに誘われて」