【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。

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「どうやってガンを克服したのですか?もったいぶらないで早く教えてくださいよ」

 

「それがこれなんだよ」

 

 これってどれだ?男性はカウンターの前に立って、ただにこやかに笑っているだけ。これというのが何のことなのか、さっぱりわからない。

 

「だからぁ、ちゃんと教えてくださいよ」

 

「ははは、まだわからないかな?」

 

 まだわからないかなって、さっきと変わらずただ笑らって立っているだけじゃないか。ん、ただ笑って立っているだけ?

 

「えっ、ガンを克服した秘訣って、もしかしたら笑うってことですか?」

 

「そう、そのとおり、正解!」

 

 男性の笑顔はさらに強くなった。このことを満面の笑みというのだろう。

 

「講演会では、ガンを克服した男性はとにかく笑うことを意識したってことを伝えたんだ。実際に、笑うことで免疫力が高まるという研究結果も出ているしね。さらにガンを克服しただけでなく、幸せな結婚までできたということだ。これを聞いたことで、胃がんになって離婚をしてしまった彼は、自分の今までのことを振り返ってみたんだ。そうしたら、全然笑っていなかったことに気づいたんだよ」

 

 そう言われたらオレも全然笑っていない。笑える心境じゃなかったからな。

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