「えっ、あ、け、結婚っ!?」
再び同じ言葉を繰り返すみっちょ。
「おい、どうした?」
「あ、えっと、なんか思考が停止してたみたい。頭が真っ白になっちゃって」
どうやら本当に意識がどこかに飛んでいっていたみたいだ。みっちょの言葉は続く。
「だって、結婚だなんて。考えなくはないけど。でもさ、いきなりそんなこと言われたらさ…頭の中でなんかいろんなものが飛び交っちゃって」
今度は顔が真っ赤になる。たしかに、今まで結婚なんて言葉を口にしたことがなかった。けれどそれを考えていなかったわけではない。正直、みっちょとは結婚をしたいとは思っている。けれど、まさかこんな形で口にするとは自分でも思わなかった。
そもそも、俺はあのことをみっちょに話すかどうか、その答が欲しかったのに。それがどうして結婚になるんだろう。
「あのさ、慎也、さっきのってひょっとしたらプロポーズになるの?」
いやいや、そんなつもりで「結婚」という言葉を口にしたわけではない。ただ魔法のコーヒーを飲んだらそんな光景が頭に浮かんだだけの話。そのことを言おうとした瞬間、賢ちゃんが俺をカウンターの方へぐいっと引っ張ってきた。
「まさか、今の本気でプロポーズ?」