「そうか、今に集中しているからこそ、いいタイミングでいろんな出会いが起きているのか。佑樹くん、ありがとう」
高山はこのことに気付かされて、未来を憂うのをやめようと決心した。そして今を見つめてみることに意識を集中させることにした。
すると、高山におもしろい変化が起き始めた。
「そうか、子どもたちの今を見ることで何が必要なのかが見えてくるのか」
真っ先にそう思える出来事が起きた。それはいつものように宿題を高齢者が手伝っている姿を見た時。子どもたちの中には、宿題の答をまるまる高齢者に尋ねるような横着なのもいる。が、おもしろいのはそういう子どもに限って、高齢者は上手に自分で考えるように促している。
「ほら、これとこれを足すといくつになるかな?」
「えっと、5になるから…あ、だから答はこうなるんだ」
こういった子どもは、まず自分で考えようとしていないことが多い。では、なぜ自分で考えようとしないのか。これは親からの問いかけが少なく、指示命令ばかりされているような家庭で育っているから、ということに気づいた。
事実、そういう家庭の親はやたらとくちうるさく、あれをしなさい、これをしなさいと子どもに指示をしている。
〜おしらせ〜
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