「まずはこういったところの親をなにかしらの形で教育する必要があるんじゃないかな」
高山はそんなことを考えついた。
そうしているうちに、佑樹とさちがフリースクールの企画書を見せてきた。その中では不登校の子どもたちが先生役になって、ここからに集まる子どもたちに対して自分の得意とする分野を教えるというものがあった。
また、逆に学校に行っている子どもたちが今度はフリースクールに来る学校に行けない子どもたちに、学校で学んだことを教えるというパターンもある。
「うん、これは面白いフリースクールになりそうだ。まずは少人数から始めてみよう」
「賛同いただきありがとうございます」
このとき、高山の頭の中で考えていたことと、佑樹たちが考えていたことが結びついた。
親を教育するといっても無理やり教え込んでも無理だ。まずは自分で考えて行動できる子どもたちをここで育成する。その成果をもって今の親たちに何が必要なのかを訴えていく。実例があるからこそ説得力が増すはずだ。
「よし、これでいってみよう」
ありがたいことに、子どもたちの成長の様子はくじら小僧とさち、二人の動画チャンネルで撮影してくれるので、宣伝効果はバッチリである。
〜おしらせ〜
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