「それは、私達の関係を周りにカミングアウトしようかということなんだ」
「カミングアウト、ですか…」
さすがにこの言葉に淳は賛成できなかった。
「そんなことしたら、周りから白い目で見られてしまう。あのときみたいに…」
どうやら淳には暗い過去があるようだ。
「淳くん、私思うの。今は世の中もそういうのを受け入れてき始めた時代だって。ドラマでもそういうのを取り扱うようなのが多くなってきたし」
のりこが淳をなぐさめるように言う。が、淳は下を向いたまま。
「淳、なにも記者会見を開こうなんてわけじゃない。周りから尋ねられたらそういう関係だって言えばいい。だから私は思い切って君に伝えたいことがあるんだ」
淳はちらりと柊を見る。が、顔はまだ下を向いたままだ。
「淳、一緒に住もう」
「えっ!?」
ようやく淳は顔を上げた。
「調べてみたら、ここの自治体は来年度からパートナーシップ制度を導入するらしいんだ。つまり、家族として自治体から認められるということになる。結婚とは違うけれど、堂々と一緒に住むことができるんだよ」
「じゃあ、これからもずっとボクは柊さんと一緒にいることができるってこと?」
「そうだ。堂々と一緒にいることができるんだ」
〜おしらせ〜
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