「おっ、きたきた。まずはこのコーヒーを飲んでくれないか」
淳は黙って柊の言ったとおりにコーヒーを口にする。その表情を眺める柊とのりこ。最初は渋い表情を浮かべていたが、急に上を向いて明るい顔つきになった。
「淳くん、どんな味がした?」
のりこの問いかけに、淳はこう答えた。
「なんだかあったかさを感じました。そして、そのあったかさが永遠に続く。一人じゃない、そばにいつもそのあったかさを与えてくれる人がいる」
そして淳は柊の方を向く。
「そのあったかさを与えてくれる人が柊さん、あなたなんです。ボクは柊さんと離れたくない。ずっと一緒に過ごしていきたい。たとえ周りからどう言われようと、柊さんと一緒なら…」
「そうか、そう思ってくれたんだね。ありがとう」
「これが魔法のコーヒーなんですね」
「うん。このシェリー・ブレンドは飲んだ人が今欲しいと思っている味がするの。だから今話したことは淳くんが求めているものなのよ」
のりこの説明に納得する淳。
「ボクは柊さんを求めています。じゃぁ、柊さんは?」
「私も淳と同じ答えだったんだよ。私の場合は、さらにもう一歩進んだ答えが見えたんだ」
「もう一歩進んだ答え?なんですか、それ?」
〜おしらせ〜
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