Cafe Shelly next 第22話 捨てる神、拾う神 その25 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「淳、これから先私とどのように過ごしていきたいと考えているかな?」

 

「この先、ですか?あまり考えたことなかったですね。でも、できればずっと一緒に過ごしていきたいとは思っているけど」

 

「それは私も同じ思いだ。私は過去、何度も相手から捨てられた。そんな経験がある」

 

「柊さんが捨てられた?」

 

「あぁ。私も淳と同じくらいの頃から、いやそれ以前から相手を求めていた。けれどこういったのは世間ではなかなか認められないものだ。それがゆえに、真剣な交際と言うよりも一時的なものばかり続いたんだ。それに相手は私より年上ばかりだった」

 

「だから、相手の都合で捨てられてしまった、ということなんですね。柊さん、ボクも実はそのことに対しては不安をいだいていました」

 

「不安?」

 

「はい。いつ柊さんから飽きられて捨てられるか。そんなことはないと思いながらも、心の奥ではその不安があったんです」

 

「淳、実は私も同じことを考えていた。こんな中年の男、若い君からしたらいつかは飽きられてしまうのではないか。そう思ったものだよ」

 

 お互いに同じような不安を抱えていたとは。ここで二人の間に沈黙が続いた。

 

「お待たせしました。シェリー・ブレンドです」

 

〜おしらせ〜
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