「淳、これから先私とどのように過ごしていきたいと考えているかな?」
「この先、ですか?あまり考えたことなかったですね。でも、できればずっと一緒に過ごしていきたいとは思っているけど」
「それは私も同じ思いだ。私は過去、何度も相手から捨てられた。そんな経験がある」
「柊さんが捨てられた?」
「あぁ。私も淳と同じくらいの頃から、いやそれ以前から相手を求めていた。けれどこういったのは世間ではなかなか認められないものだ。それがゆえに、真剣な交際と言うよりも一時的なものばかり続いたんだ。それに相手は私より年上ばかりだった」
「だから、相手の都合で捨てられてしまった、ということなんですね。柊さん、ボクも実はそのことに対しては不安をいだいていました」
「不安?」
「はい。いつ柊さんから飽きられて捨てられるか。そんなことはないと思いながらも、心の奥ではその不安があったんです」
「淳、実は私も同じことを考えていた。こんな中年の男、若い君からしたらいつかは飽きられてしまうのではないか。そう思ったものだよ」
お互いに同じような不安を抱えていたとは。ここで二人の間に沈黙が続いた。
「お待たせしました。シェリー・ブレンドです」
〜おしらせ〜
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