Cafe Shelly next 第22話 捨てる神、拾う神 その24 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 どんなコーヒーを飲ませてくれるのか、楽しみになってきた淳。そんな期待を胸にカフェ・シェリーへ到着した。

 

カラン・コロン・カラン

 

「いらっしゃいませ」

 

 その声を耳にした瞬間。

 

「あ、のりねぇ!」

 

「淳くん、久しぶり」

 

「のりねぇって、ここで働いてたの?」

 

「うん。それよりも淳くん、おばさんが心配してたよ。家を飛び出したきり、ぜんぜん連絡がないって」

 

 それに対して淳は何も言えなかった。

 

「まぁまぁ、その話は後にしましょう。柊さん、席を準備していますのでそちらへ」

 

 マスターが割って入り、二人は窓際の席へと案内された。

 

「まさか、のりねぇがいるからこの店に連れてきたんですか?」

 

「いや、それは私も後から知ったんだよ。ひょっとしたら淳が自分のいとこかもしれないって。でも詳しい事情は聞いていない。それよりも今日は私と淳、二人のこれからのことを考えようと思ってやってきたんだ」

 

「それなら、この店じゃなくても…」

 

「これからの二人のことを考えるには、ここの魔法のコーヒー、シェリー・ブレンドの力を借りたいんだよ」

 

「魔法のコーヒー?」

 

 不思議な顔をする淳。柊は目でマスターに合図を送る。その合図でマスターはコーヒーを淹れ始めた。

 

〜おしらせ〜
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