「あ、唐沢さん。お待ちしていました」
「よぉ、道房くん。スライドできたんだって?」
「はい。こちらの大箱さんが協力してくれて、とてもいいものが出来上がりました」
「はじめまして、大箱といいます。今回道房さんのセミナーのスライドづくりをさせていただきました」
「道房くん、いい協力者を得たようだね。じゃぁ早速見せてもらえるかな。のりちゃん、シェリー・ブレンドよろしく」
唐沢は早速スライドを確認し始めた。スライドをめくるたびに、唐沢の顔つきが変わっていく。最初はどちらかというと無表情だったのが、驚きの連続。そして最後の方になると、とうとうこんな言葉を漏らした。
「なんじゃ、こりゃ!」
この言葉は予想外の終わり方だったため出た言葉だということを、大箱も道房もわかっていた。
ちょうどスライドを見終わった時に、のりこがシェリー・ブレンドを運んできた。唐沢は最後の方のスライドをもう一度確認しつつ、無意識にシェリー・ブレンドに手を伸ばしていた。
コーヒーを飲んで少し黙り込み、そして口を開く唐沢。
「この終わり方は予想外だったな。こりゃおもしろい。これを見たらオレも道房くんの営業ノウハウを知りたいって思えるようになるわ」
〜おしらせ〜
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