唐沢からそう言われて、二人は安心した。と同時に、狙い通りの感想をもらってがぜんやる気が出てきた。
「よし、早速道房くんの講師デビューをやろう。告知はオレも手伝うから。オンラインセミナーは最初は十人もいればいいほうだと思うから」
「わかりました。オレもがんばります!」
「じゃぁ私も、早速計画通りに進めてみます」
「計画通りに?何か企んでるのかい?」
大箱の意味深な言葉に唐沢は興味を持った。
「まぁ、それはセミナー当日にわかることですよ」
こうして道房のオンラインセミナーデビューが決まった。告知の猶予も必要なので、開催は二週間後にした。その間、SNSなどを活用して初回無料の飛び込み営業術というオンラインセミナーを開催することを告知。唐沢の有力なお客さんも含めて、予想以上の四十五人の集客に成功した。
「この中から道房くんのファンをつくる。これが初回の狙いだからな。まぁ、あのスライドの作り方なら、続きを聞きたくなる人は多いだろうけど」
セミナー当日、唐沢の事務所に設置したスタジオでスタンバイする三人。唐沢からお墨付きの言葉をもらい、道房もやる気まんまんである。その後ろで、名簿を眺めて満足げな大箱もいる。
〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーを一気に読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/