「道房さん、一度お昼ごはんを食べに出ませんか?」
大箱の方からそう提案をした。カフェ・シェリーではモーニング以外では食事の提供は行っていないからだ。
「そうですね、そうしましょう」
二人はマスターにお礼を言って食事にでかけた。行ったのはすぐ近くのハンバーガーショップ。すでに午後二時を回っているので、店内は比較的空いていた。
「こんなところ、男二人で来るところじゃないですね」
「そういえば大箱さんはご結婚は?」
「恥ずかしながら、この歳まで独身なんですよ。女性ときちんとお付き合いしたこともないかなぁ」
「実はオレもなんです。今まで仕事一筋でやってきましたから」
そんな会話をしながら、二人でハンバーガーにかぶりつく。ここで大箱からこんなことを言い出した。
「道房さん、今回の仕事を成功させて、元の会社にギャフンと言わせましょうよ」
「ギャフンだなんて死語ですよ。でも、そういう気持ちはあるかな。まぁオレの場合は自分にも責任はあるけど。でも大箱さんは全然悪くないんでしょう?その三代目社長にはめられたんですから」
「はい、実はギャフンと言わせたい気持ちが強いのは確かです」
「だったら、こういうのはいかがですか?」
〜おしらせ〜
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