「まぁ、いきなりそんな都合よく現れるとは思っていませんよ。でも、マスターとのお話はとても楽しかったです。また明日朝から来ますのでよろしくおねがいします」
「はい。ではまた明日」
大箱は明日がやってくるのが楽しみに思えてきた。こんなに胸がワクワクするのは久しぶりだ。
そして翌日、大箱はカフェ・シェリーが開店する七時半から早速カウンターに居座ることにした。
「おはようございます」
「大箱さん、おはようございます。カウンターにどうぞ」
「のりこさん、モーニングをお願いします」
「はーい」
大箱もカフェ・シェリーの雰囲気に慣れたようで、のりこにも気軽に声をかけられるようになっていた。
モーニングを食べ終わった頃に、一人の男性客が現れた。
「こんにちは。魔法のコーヒー、お願いします」
男性客は入ってくるなり、シェリー・ブレンドを注文する。この頃にはモーニング目当てで店の中はそれなりにいっぱいになっていた。そのため、男性客はどこに座ろうかキョロキョロしている。
「よろしければカウンター席へどうぞ」
マスターが男性客を促す。座ったのは大箱の隣。ここでマスターは大箱に目配せをした。どうやらマスターはこの客を知っているようだ。
〜おしらせ〜
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