Cafe Shelly next 第19話 悲劇と喜劇 その16 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「まぁ、いきなりそんな都合よく現れるとは思っていませんよ。でも、マスターとのお話はとても楽しかったです。また明日朝から来ますのでよろしくおねがいします」

 

「はい。ではまた明日」

 

 大箱は明日がやってくるのが楽しみに思えてきた。こんなに胸がワクワクするのは久しぶりだ。

 

 そして翌日、大箱はカフェ・シェリーが開店する七時半から早速カウンターに居座ることにした。

 

「おはようございます」

 

「大箱さん、おはようございます。カウンターにどうぞ」

 

「のりこさん、モーニングをお願いします」

 

「はーい」

 

 大箱もカフェ・シェリーの雰囲気に慣れたようで、のりこにも気軽に声をかけられるようになっていた。

 

 モーニングを食べ終わった頃に、一人の男性客が現れた。

 

「こんにちは。魔法のコーヒー、お願いします」

 

 男性客は入ってくるなり、シェリー・ブレンドを注文する。この頃にはモーニング目当てで店の中はそれなりにいっぱいになっていた。そのため、男性客はどこに座ろうかキョロキョロしている。

 

「よろしければカウンター席へどうぞ」

 

 マスターが男性客を促す。座ったのは大箱の隣。ここでマスターは大箱に目配せをした。どうやらマスターはこの客を知っているようだ。

 

〜おしらせ〜
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