「思い切って声をかけて正解でした。ではこれからぜひよろしくお願いします」
「こちらこそ。じゃぁ早速これから打ち合わせをしませんか?今オレが頭の中で考えている構想をお話したいと思うのですが」
「もちろん、いいですよ。なにしろ時間はたっぷりありますから」
「あはは、オレも幸か不幸か時間だけはあるんですよね」
そう言って道房と大箱は顔を見合わせて笑いあった。
こうして似た境遇の、違った才能を持った二人が出会い、そしてお互いに助け合いながら一つの仕事を行う運びとなった。
二人の打ち合わせはもちろん、そのままカフェ・シェリーで行う。カウンター席ではやりづらいということで、ちょうど窓際の席が空いたのでそこに移動。大箱は常にタブレット端末を持ち歩いているため、道房が言ったことをどんどんメモしていく。道房もそのメモを見ながら、自分の頭の中を整理していく。
それを唐沢からもらったテンプレートに当てはめて、スライドの中身を二人で考える。その作業がとても楽しく、気がついたら昼の二時を回っていた。
「あれっ、もうこんな時間なんだ。驚いたな」
「道房さん、一度お昼ごはんを食べに出ませんか?」
「そうですね、そうしましょう」
〜おしらせ〜
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