Cafe Shelly next 第18話 雲をつかむ その29 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「思い切って声をかけて正解でした。ではこれからぜひよろしくお願いします」

 

「こちらこそ。じゃぁ早速これから打ち合わせをしませんか?今オレが頭の中で考えている構想をお話したいと思うのですが」

 

「もちろん、いいですよ。なにしろ時間はたっぷりありますから」

 

「あはは、オレも幸か不幸か時間だけはあるんですよね」

 

 そう言って道房と大箱は顔を見合わせて笑いあった。

 

 こうして似た境遇の、違った才能を持った二人が出会い、そしてお互いに助け合いながら一つの仕事を行う運びとなった。

 

 二人の打ち合わせはもちろん、そのままカフェ・シェリーで行う。カウンター席ではやりづらいということで、ちょうど窓際の席が空いたのでそこに移動。大箱は常にタブレット端末を持ち歩いているため、道房が言ったことをどんどんメモしていく。道房もそのメモを見ながら、自分の頭の中を整理していく。

 

 それを唐沢からもらったテンプレートに当てはめて、スライドの中身を二人で考える。その作業がとても楽しく、気がついたら昼の二時を回っていた。

 

「あれっ、もうこんな時間なんだ。驚いたな」

 

「道房さん、一度お昼ごはんを食べに出ませんか?」

 

「そうですね、そうしましょう」

 

〜おしらせ〜
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