Cafe Shelly next 第18話 雲をつかむ その27 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 二人とも仕事を辞めたばかりということで、なんとなく通じるものを感じてしまった。いや、これは会うべくして出会ったと言ってもいいだろう。それは大箱の方が感じていた。

 

「実は私、以前の会社では販売企画というのをやっていて、そこでプレゼン用のスライド資料を作ったりしていたんです。もしかしたらその経験が道房さんのお役に立てるんじゃないかと思いまして」

 

「えっ、本当ですか!?」

 

「はい。実は私も今後どうしようか迷っていた時にこの喫茶店の話を知り合いから聞いて。それで魔法のコーヒーを飲んだんです。そうしたら自分の力を磨けという答えに行き着いたんです」

 

「自分の力、というのは先程おっしゃったプレゼンの資料作りってことですか?」

 

「はい。他にも趣味で動画編集もやっていて。今は知り合いのYoutube用の動画作成のお手伝いをしています。わずかながらですが、知り合いから編集料もいただけるほど収益も出ています」

 

「それはすごい。オレはそういうのは全然ダメなんですよ。あ、でもお願いしたくても正直なところお金が今あまりなくて」

 

「それについては私からご提案があります。成果報酬にしませんか?」

 

「成果報酬?」

 

 道房は身を乗り出す。

 

〜おしらせ〜
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