Cafe Shelly next 第18話 雲をつかむ その23 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「てなことで、まずはスライドづくりからスタートだな。どんな順番でどんな感じでつくればいいのか、その道筋ってのもあるからそいつを教えるわ」

 

 こうして急遽、唐沢による講師になるためのレクチャーが始まってしまった。道房は唐沢の言うことを熱心に聞き、メモを取り、ときには質問を交えて頭の中に叩き入れるようにした。

 

「じゃぁ早速家に帰って資料作りから始めます。今日はありがとうございました」

 

「おう、できあがったら見せてくれよな。いいものをつくっていこうぜ!」

 

「はい、がんばります!」

 

 道房はガッツポーズをして唐沢の期待に応えようとした。だが、いざ家路につくと不安が襲ってきた。本当に自分にあんな資料が作れるんだろうか。そもそもそういったのを作ったことがないのだから。

 

 誰か作ってくれる人っていないか。会社にいた頃は後輩に命令すれば作ってくれていた。けれど今は自分しかいない。唐沢の心のなかでは、カフェ・シェリーで味わったあの雲をつかむ感覚が蘇ってきた。

 

 そこでふと思った。そうだ、カフェ・シェリーだ。あの魔法のコーヒーを飲むことでヒントをもらえばいいんだ。

 

 今日はもう遅い。明日またカフェ・シェリーに行ってみよう。

 

〜おしらせ〜
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