今は無職の道房にとっては、自分の持っているノウハウを伝えるだけで相談料が無料になるのはとてもありがたい話である。
「ぜひそうさせてください」
「オーケー、契約成立っと。じゃぁさ、こうしよう。まずはオレがセミナー開催を手伝うから。今はほとんどオンラインセミナーになるから、それを立ち上げるやり方とか、そのときの振る舞いなんかの注意点を教えながら進めることにしよう。でもってオレはそのセミナーに受講生として参加する。オレだけ無料参加ってことで。それを何度か繰り返してやり方をおぼえていくってのはどうかな?」
一気に道房をまくしたてる唐沢。だが道房はやる気満々である。
「わかりました。じゃぁ早速何から始めればいいですか?」
「おっ、やる気があるねぇ。そういうの好きだな。よっし、まずはオレの事務所に来いよ。オンラインセミナーをやるための機材から説明するからさ」
「わかりました。じゃぁ早速お願いします」
そう言って道房は早速唐沢に連れられてカフェ・シェリーを出ていった。
「なんかすごく勢いのある人でしたね」
あとに残された安西は、その様子をポカンと見ているしかなかった。
「ははは、唐沢さんは羽賀さんと真逆の人ですから」
〜おしらせ〜
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