「その代わり、自分よりももっと適任者がいるからその人に連絡してみるってことでした」
「適任者?」
「はい。なんでも営業のコンサルタントをやっている人らしいです。その人から俺の携帯に連絡がくることになっているんですけど」
ちょうどそのとき、安西の携帯が鳴った。
「はい、はい、そうです。え、今ですか?カフェ・シェリーっていう喫茶店にいるんですけど。はい、わかりました。お待ちしています」
安西の電話が終わると同時に、道房が待ち構えていたように尋ねた。
「今の、その営業コンサルタントの人だよな?今からここに来るのか?」
「あ、はい。唐沢さんという方なんですけど。割と近くにいるらしくて今から来るとのことです」
「やっぱり唐沢さんかぁ」
のりこが苦笑いする。
「ご存じの方なんですか?」
「えぇ、羽賀さんのお知り合いで一緒に来たことがあって」
「どんな方なんですか?」
道房はワクワクしながら聞いてくる。が、のりこはさらに苦笑い。
「ま、まぁ一言で言えばにぎやかな人かな。あはは」
どうやらのりこは唐沢が苦手なようだ。
カラン・コロン・カラン
「よぉ、のりちゃん元気してた?」
突然お店の扉が開き、カウベルが鳴ると同時に響き渡る声。
〜おしらせ〜
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