Cafe Shelly next 第18話 雲をつかむ その12 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「だから、シェリー・ブレンドを飲んでまずは自分の本当の気持ちに気づくこと。さらに、どうすればセミナーを開けるのかのヒントを得ることが必要かなと思いまして」

 

 道房はマスターの言葉には従順である。自分もマスターのような生き方をしてみたいという憧れがあるからだろう。

 

「じゃぁ、早速いただきます」

 

 道房は少し冷めたシェリー・ブレンドを口の中に含んだ。そして目をつぶる。周りのみんなは道房の表情に注目する。

 

 最初は冷静で落ち着いた表情をしていた道房。だが、数秒後に眉間にシワを寄せ始めた。そして首を横に振る。何を感じたのだろう?

 

 そしてようやく目を開く。

 

「どんな味がしましたか?」

 

 恐る恐るのりこが尋ねる。

 

「マスター、このシェリー・ブレンドは今欲しいと思っている味がする。まれにそれが映像で浮かんでくるということでしたよね?」

 

「はい、そうですが。何が見えたんですか?」

 

「うーん、ということはこれがやっぱり答なのかなぁ」

 

 どうも納得いかない表情を浮かべる道房。

 

「どうしたんですか?」

 

 今度は安西が尋ねる。すると道房は突然安西を指差した。

 

「お前の顔が浮かんできたんだよ。これってどういう意味なんだ?」

 

「えっ、俺の顔ですか?」

 

〜おしらせ〜
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